小論文の学習参考書

藤田昌弘 樋口裕一

藤田昌弘の『小論文ミニマム攻略法』(旺文社)は、それまで新書などで得ていたテーマごとの知識を整理した点で画期的であった。また、樋口裕一は『読むだけ小論文』(学研)で、さらにわかりやすく知識を提供し、『型書き小論文』(学研)で文章の展開を示した。これらは、小論文の教育に大きな影響を与えた。それまでの文章規範のタイプからの大きな転換になったといえる。

長所としては、テーマごとに必要な知識を提供し、型を決めたという点である。このテーマは、これを示すというパターン分けをし、テーマごとの必要最小限の知識を提供した点で評価できる。

短所としては、パターン化しすぎているため、純粋に応用力が問われたときには柔軟性が欠如してしまうという点があげられる。個性がなくなり、画一化した形になってきたという傾向を生み出している。