自主規制について

(マスメディアが事件等を取材する過程で行われる「自主規制」とは。そしてその是非について)
「自主規制」とは、取材対象の人権を守り、取材の行き過ぎを牽制するためにマスメディア各社が報道協定を結ぶことである。しかし、1993年(平成5年)に小和田雅子さんが皇太子妃に内定したというニュースは、10ヶ月にわたって「自主規制」が続いていたために、ワシントンポスト紙が最初に伝えることとなった。ワシントンポスト紙は日本の報道協定には加わっていなかったために、協定破りには該当しなかったのである。しかし、やはり、「自主規制」を破るきっかけになったのが、外国プレスであったために、報道現場から自省を含めた疑問の声があがった。「自主規制」、「報道協定」は、取材対象の人権を考えてという側面はあるものの、協定によって特オチの恐怖から逃れられるというマスコミにとって都合のよい側面もある。「自主規制」により、国民の知る権利が規制されるだけでなく、科学ジャーナリストの柴田鉄治氏の指摘にあるように、取材、報道を控える対象が、権力(者)である場合など、「自主規制」の行き過ぎは、マスメディアとして権力の監視という責務を忘れることにつながるという意見もある。