2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

中野式漢文の流れ

こんばんは。前回、私を開眼させた漢文の本で、中野清氏の本を紹介しました。今回は、その続きです。 中野清氏は、元代々木ゼミナール講師で、清の時代の小説を大学院では研究していた人物でした。現在は、大学講師・高校講師などの傍ら、漢方薬品の会社社長…

私を開眼させた漢文の本

おはようございます。誰でも、大きな影響を受けた人物や本との出会いはあると思います。私にもそれはあります。特にある漢文の本との出会いは、私の漢文のイメージを変えました。今回は、そのことを書きたいと思います。 私が漢文を勉強していく過程で、高校…

漢文の学習参考書(1)

おはようございます。今回から、「漢文の学習参考書」について書いていきます。戦後の漢文の学習参考書を考えたとき、まずあげられるのは小林信明氏(大学教授)の『漢文研究法』(洛陽社)があげられます。この本は、名門校を中心に売れたハードカバーの本…

日本文学史の参考書

こんばんは。今日は、文学史の扱い方にふれてみたいと思います。センター試験でも時折、出題されていますし、私立大学や国立大学でも、よく出題されています。しかし、深みにはなるとたいへんなことになるのも、文学史の特徴です。 文学史の参考書としては、…

古文の記述対策の参考書

おはようございます。今回は、「古文の記述対策」について考えてみたいと思います。古文の記述問題についても、悩みを抱えていることが多いようですね。記述対策として、予備校の講義を受けたときに、担当する講師がコツコツ積み上げる答案例を示すタイプだ…

マニア向けの古文の学習参考書

こんばんは。今回は、マニア向けの古文の参考書を紹介します。マニア向けのものは、最近は売れないようで、絶版になっていることが多いのですが、いまだに二冊ほど買うことができます。それは、あまりにも水準が高く、大学院入試用の参考書として利用されて…

センター古文の対策本

こんばんは。今回は、センター試験の古文について書いてみます。現在のセンター試験の古文は特殊であるといえます。長い文章で、しかも選択肢も長くしてある奇妙な試験です。それに、マーク式なので部分点や努力賞がありません。さらには、設問をマークでな…

古文常識の参考書

おはようございます。今日は、これから出かけるので、早朝の更新となっています。古文常識という本も、最近では書店でみかけるようになりました。古文常識は古文の背景知識をまとめたものです。かつては、『古文研究法』(洛陽社)の「精神的理解」の項目を…

古文の口語訳についての本

こんばんは。今回は、古文の口語訳の本を考えてみます。古文は口語訳できてしまえば、あとは現代語で考えることになります。そのため、口語訳する技術を教えてくれる基礎的な本が必要になります。そのタイプの本としては、『古文読解教則』(駿台文庫)があ…

古文単語の学習法(3)

こんばんんは。今回は、古文単語集について書いてみます。どの古文単語集がよいかという質問をよく受けます。編集別に特徴がありますから、自分の好みで選ぶとよいと思います。語源に忠実に覚えるなら『必修古文単語400』(桐原書店)・『実践トレーニング古…

古文単語の学習法(2)

おはようございます。今回は、古文単語を覚える方法を考えてみます。古文単語を覚えるには、いくつかの方法があります。 第一に、漢字をあてて、語源を知る覚える方法があります。「あてなり」という単語は「貴なり」と漢字があてられます。すると、「高貴だ…

古文単語の学習法(1)

こんばんは。今回から、古文単語はいくつ必要かについて考えてみます。古文単語は、いくつ必要かといいますと、高校入試では200から300ぐらいです。『マドンナ古文単語230』(学研)という本は単語カードになっていて使いやすいので、大学受験生が電車の中で…

古文の学習参考書(5)

こんばんは。今回は、古文の読解について考えてみます。一通りのジャンルを読む正統派の参考書としては、『基礎古文問題精講』(旺文社)があります。ただし、この本は文法的に読むことを徹底的に心がけているので、少し読解力の養成としては、物足りない面…

古文の学習参考書(4)

こんにちは。今回は、独学で文法を学ぶにはどうしたらよいかを考えています。古文文法は苦手だが、どうしても古文文法を独学で勉強しなければならないときには、思い切って『高校入試・本番で勝つ古文』(文英堂)などの中学生用の古文の参考書や、『くわし…

古文の学習参考書(3)

こんばんは。古文文法は、悩みの種にしている方も多いようですね。受験生だけでなく、社会人の方向けの講座のときにも、文法が苦手だという問い合わせがあります。現在、市販されている中で、一番使いやすいのは、『古典文法基礎ドリル』(河合出版)と『古…

古文の学習参考書(2)

こんばんは。今日は、古文を構造的にとらえようとした参考書を紹介します。それは、『古文解釈の方法』という本です。 関谷浩氏の書いた『古文解釈の方法』(駿台文庫)は、精密な解釈と文構造に焦点をあてたものです。ひたすら、解釈に徹しているので、まる…

古文の学習参考書(1)

こんばんは。私は、国語の参考書のソムリエになろうと思い、塾・予備校の仕事をはじめた15年前から、戦後に書かれた国語の参考書をチェックしています。そこで、今までの調査を生かして、今回から、国語の学習参考書について書きたいと思います。 受験用の古…

「壬申の乱」と「現人神の思想」

おはようございます。日本歴史上、古代最大の戦乱といえば、壬申の乱(六七二年)です。この戦乱の意義は、天皇が絶対的な権力者(それまでは豪族の長としての性質が強かったのです)となり、天皇の神格化がはじまったことにあります。その戦乱を制した天武…

額田王の歌

額田王(ぬかたのおおきみ)は、『万葉集』第一期の女流歌人です。はじめ大海人皇子(後の天武天皇)に寵愛を受けて、十市皇女を生みましたが、後には天智天皇に愛されました。歌は優美で情熱的です。その歌からは、巫女的な性質を感じ取ることができます。…

国学ルネサンス

こんばんは。今回は、よく質問を受ける「国学」を取り上げます。江戸時代に、勃興した学問の一つとして「国学」があげられます。「国学」というものは、日本の精神を学ぼうとする学問です。したがって、古来からの「和歌・日本史・日本古典文学・国語学・神…

人名の読み方の考察

こんばんは。今回は、「人名の読み方の異説」を書いてみます。人名の読み方は、いくつか割れることがあります。特に音読みか訓読みかで割れるケースが多いのが特徴的です。たとえば、思いつくままに示してみます。 「藤原定家」は、「ふじわらのていか」と「…

国語教育と自己修養

こんばんは。今回は「国語教育と自己修養」について考えてみます。自己を浄化することのできるものとして、古来より、漢詩・和歌があげられてきました。これらの韻文について、もっと取り組みが必要ではないでしょうか。安岡正篤氏は漢詩・中国哲学・中国の…

読書と国語教育

こんばんは。今回は、「読書と国語教育」について書いてみます。知性を磨くには、読書は欠かせませんが、その読書法として精読・濫読・速読などがあります。また、本のジャンルもさまざまなものがあります。そこで、知的生産としての読書について考察してみ…

井原西鶴の真髄

おはようございます。今回は、井原西鶴について書いてみます。みなさんは、江戸時代の井原西鶴という人物は、どのように考えていますか。よく、小学生・中学生の日本史の歴史の教科書に『好色一代男』が盛んに載っていますが、あれはよくありませんね。なぜ…

『源氏物語』に思うこと

今回は、『源氏物語』について考えてみることとします。「『源氏物語』は日本古典の最高傑作」といわれることが多い作品です。ドナルド・キーンは、世界三大作品として、紫式部の『源氏物語』、ダンテの『神曲』、シェークスピアの『リア王』の三つをあげた…

年号の話

こんばんは。みなさんは、年号の読み方には異説があることをご存知ですか。たとえば、慶長は「けいちょう」のほかに「きょうちょう」、享保は「きょうほう」のほかに「きょうほ」などがあります。年号のさまざまな読み方を研究したのが、山田孝雄博士の『年…

『論語』の思い出

こんばんは。今回は、『論語』について書きたいと思います。私が繰り返し読んだ古典といえば、『源氏物語』と『論語』があります。特に、『論語』は何度も繰り返して読みました。渋沢栄一の『論語と算盤』という名著があります。そして、渋沢栄一は『論語講…