2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「―ヲ―しむ」の構造

古典における「―ヲ―しむ」の構造について調査してみました。『方丈記』は和漢混交文であるため、使役として「しむ」が用いられ、ニ格の使役ではなく、3例ともすべて、次のようにヲ格が表出され、「−ヲ格−しむ」という構造を持つ。 ① また知らず、仮りの宿り…

大宮貫三の受身の説明

4.大宮貫三大宮貫三(1907)では、「被働助動詞」として扱われている。以下例文を見てみる。 標準語 昨日私ハ彼狂人ニ打タレマシタ 標準語 人ニ打タレルノハ我慢シマスガ笑ハレルノハ堪ラナイ 打ラバ打タレルガ私ハ打チマセヌ 昨日ノ競争ハ甲様ニ勝タレマシ…

マイクロカウンセリングの有効性

近年、さまざまな心理用法が開発されてきました。しかし、万能というものはありません。そこで、 「マイクロカウンセリング」というものが提唱され、注目されてきています。 このマイクロカウンセリングとは、さまざまな心理療法を、その用途に合わせて使い…

ニ格の受け身

受身文や使役文の場合、 ○田中が山田に殴られた。 ○洗濯物が風に吹き飛ばされた。 ○先生が花子にピアノを弾かせた。 のように動作主はニ格で示されることが多い。これは、古典文の場合にも共通することである。金水敏(1992)では、山田孝雄(1908)を引用し…

使役と動詞の自他

益岡隆志・田窪行則(1992)は、格関係と動詞の自他に注目して、次のように文型としてとらえている。1ガ格+ニ格+ヲ格+動詞の使役形(他動詞からの使役) ※ガ格は使役の主体、ニ格は動きの主体を示す 太郎が弟に荷物を運ばせた。 私に食事代を払わせてくだ…

法華経と華厳経

「華厳経と法華経」 現在では、お経というと、「般若心経」や「観音経」が話題として出てきますが、日本の古典では、法華経の話が多く出てきます。釈迦は、生涯に語った記録が膨大であり、とてもすべて読破できるものではありません。そこで、釈迦が晩年に語…

使役の三分類

青木伶子(1980)では、使役を次のように三分類で述べている。1「させ手」の意志が「なし手」の意志に反して強い場合 ○遊びたがる子供を風呂にはいらせる。 ○わが岡のおかみに言ひて降らしめし雪のくだけしそこに散りけむ(萬葉集・104) 2「させ手」の意…

松本亀次郎の日本語教科書の受け身

1.松本亀次郎松本亀次郎(1904)では、受身文は「被性助動詞(受身・所相・或ハ受動)」として扱われている。以下、用いられている例文を整理してみる。犬人ヲ噛ム。 →人犬ニ噛マル。 少女、猫ヲ抱ク。 →猫少女ニ抱カル。 項羽、高帝ヲ、栄陽ニ囲ム。 →高帝…

実践心理学のメリットと心得

実践心理学のメリットと心得 実践心理学や心理療法は、人間関係を好転させ、心を強くしてくれます。その意味で現代人が学んでおきたい人生の科目の一つと言えます。その一方で、すべてが心理学で人間関係がうまくいくわけではないことも知っておきましょう。…

松本亀次郎の受身文の論

1.松本亀次郎松本亀次郎(大正八年)では、受身文は「被役助動詞」の箇所で扱われている。以下のように述べている。〔被役助動詞〕ハ、甲ガ、乙ノ動作ヲ、受ケル意味を表ハス詞デス。・・(中略)・・レルハ、四段ノ第一変化ニ接続シ、ラレルハ、其ノ他ノ動…

社会言語心理学のメモ

○相手への関心の示し方の二原則 1私はあなたを認めている・無視していない。 2あなたについて知っている。○性格と人柄−クレッチマー、シェルドン 1三角の顔・丸い顔 政治家タイプ・話好き・楽天的 2たまご型・逆三角形 学者・芸術家タイプ・思考は科学的・話…