2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

漢字・名前・印鑑

こんばんは。今回は、「漢字・名前・印鑑」について考えてみたいと思います。日本人の名前は、漢字で構成されています。実際には旧漢字の方がもとの字源や意味がわかるのですが、現在の当用漢字では漢字の成り立ちや霊力といったものが感じにくいのが残念で…

『古事記』の暗誦は可能か

こんばんは。今回は、『古事記』のことを書いてみます。『古事記』の書かれた時代は、上代です。上代文学とは、奈良時代の文学のことです。それまでは、日本語を表記する手段も確立されておらず、口承文学でした。記載文学として、まとまった日本語が書かれ…

『万葉集』の書名の由来

こんばんは。前回に引き続き、『万葉集』の話を書きます。『万葉集』の書名の由来は考えたことはありますか。これにも諸説ありますので、まとめてみると、次のようになります。一、多くの歌を集めた集 二、多くの世代にわたる歌集 三、万世にまで伝えるべき…

日本語・日本文学の時代区分

こんばんは。今回は、時代区分について考えてみます。歴史学の場合には、人類の誕生から歴史ははじめますが、日本語・日本文学の場合には文字が書かれ、まとまった文学作品が成立するところからはじまります。 上代(奈良時代) 中古(平安時代) 中世(鎌倉…

『万葉集』の書名の読み方の諸説

こんばんは。この3年ほど、カルチャー講座で『万葉集』を扱っています。日本最古の和歌集で、約4500首あります。この『万葉集』は、「マンヨウシュウ」と今では読んでいますが、かつては「マンニョウシュウ」でした。つまり、室町時代以降の連声という読み癖…

日本語訳の上手な英語講師

こんばんは。今回は、伊藤和夫氏の思い出を書きます。英語力と日本語力との対応で考えたとき、日本語訳の英語の講師として、受験の業界ですぐに私の頭に浮かぶのは、駿台予備学校の講師であった伊藤和夫氏と、代々木ゼミナール講師であった潮田五郎氏です。…

食と永井荷風

永井荷風(1879―1959)は、興味深いエピソードの多い人物です。以前、知人の世界史の講師の方と(その方の著書として『高校の世界史を復習する本』という国家公務員一種試験のバイブル的な参考書があります)、浅草にあるアリゾナという店と京成本八幡にある…

手紙文

おはようございます。以前、小論文の指導の一環で、同僚の講師と打ち合わせをして、手紙文を生徒に書かせてみようという授業を行ったことがあります。意外にも、手紙の形式がわからず、手紙がかけないという生徒が多いので、驚いた経験があります。携帯のメ…

漢学と国学について思うことども

おはようございます。今回は、漢学と国学について考えてみたいと思います。これは、私が普段から感じることだからです。漢学と国学とでは、同じ日本語でも立場の違いがあるのをご存知ですか。 たとえば、漢文訓読を考えてみます。漢文を訓読した文章は、日本…

日本人と桜

こんばんは。今回は、日本人と桜を扱います。花といえば「桜」を指すなどといわれますが、「花」は、春では「梅」「桜」「橘」、秋では「千草」、冬では「菊」を指したりすることもあります(和歌での花については、名著といわれる、片桐洋一『歌枕歌ことば…

文学と歴史学

こんばんは。今日は、午前中に論文を仕上げてから仕事にでかけたので、くたびれました。でも、論文を書いたあとの達成感はなんともすがすがしいものですね。今回は、文学と歴史学の違いを考えてみます。 文学と歴史学との大きな違いは何でしょうか。よく、国…

夏目漱石と漢文

夏目漱石と漢文 夏目漱石の漢文の力は、みなさんは知っていますか?なかなかのものですよ。吉川幸次郎の『漱石詩注』(岩波文庫)を読むとよくわかります。 夏目漱石の漢詩の創作力はすさまじいものがあります。夏目漱石は、二松学舎(当時は漢文の専門学校…

「たまふ」(下二段)の問題点

おはようございます。しばしば、下二段活用の補助動詞「たまふ(給ふ)」についての質問を受けることがありますので、今回はこの問題を扱います。 これは、研究者の間でも考え方に違いがあるから生じるのでしょうね。私も教わった高校の先生や大学の先生によ…

水が/を飲みたい

こんばんは。かつて、東京大学の編入試験を受験したことがあります。そのときに過去問を取り寄せたことがあるのですが、「−たい」の機能について論述させる問題がありました。どのくらい記述すればよいのかと思って、調べてみたら研究レベルでは大きな問題が…

「係り結び」の思い出

こんばんは。今日は、仙台からの新幹線の中で、「係り結び」の思い出を書きたい気持ちでいっぱいになりました。そこで、思い切って「係り結びの思い出」を書きます。 私が、大学生の頃、日本語学の講義のときに「係助詞」の読み方は、「かかりじょし」と「け…

山田孝雄と細江逸記

おはようございます。今回は、日本語文法と関わりのある人物として、山田孝雄(やまだよしお)と細江逸記(ほそえいつき)を紹介します。 山田孝雄は、最後の国学者といわれた人物で、現在の学校文法の副詞や助詞の考え方は、この山田孝雄の説を取り入れてい…

「より」と「から」

こんばんは。今回は、「より」と「から」の使い分けについて書いてみます。時間や空間を示すときに使われる助詞、「より」「から」はどちらを使うほうがよいのか、迷うことはないでしょうか。また、「より」と「から」が、時間や空間の起点を示す格助詞とし…

形容動詞について

おはようございます。今日は、「形容動詞」について書いてみます。学生のころ、どうしても納得できなかったのが「形容動詞」でした。ようやくその謎が解けたのは、大学生になってからでした。国文法の専門の教授に教わって、はじめて日本語の「形容動詞」は…

「べし」「べき」「べ」「ぺ」

おはようございます。今回は方言の「べ」「ぺ」につながる「べし」の話からはじめたいと思います。 現代日本語では、「べき(可き)」ということばを耳にします(方言では「べ」「ぺ」という言い方をします)。比較的、文法的に記述のしっかりとしている『旺…

敬語の分類−文化審議会の五分類案

こんにちは。私は、以前、「古典の敬語」についての論文を書いたことがあります。そのときに、謙譲語を細分類することの意義を書いたのですが、同じようなことを現代語でも菊地康人氏が『敬語』(講談社学術文庫)という名著で、書いています。もし興味があ…

「ら抜けことば」

こんばんは。今回は、間違いの多い「ら抜けことば」「れ足すことば」「さ入れことば」を扱いたいと思います。 近年、一般化しつつある「ら抜けことば」と呼ばれるものがあります。例えば ×見れる(正しくは「見られる」) ×来れる(正しくは「来られる」) …

現代敬語の使い方

こんばんは。最近、授業で敬語の話をすると、よくわかっていない生徒が目立つようになってきました。特に、謙譲語が難しいと感じるようですね。そこで、現代の敬語について考えてみることにしました。 敬語の使い方や用法は、時代よって変化をしてきています…

読点の活用法

こんばんは。今回は、「、」(テン)〔読点〕の使い方を考えてみたいと思います。この読点の打ち方のマニュアルをまず掲載してみます。①テンは、第一の原則として文の中止にうつ。 (例)父も喜び、母も喜んだ。 ②終止の形をとっていても、その文意が続く場…

句点(マル)の打ち方のモデル

おはようございます。今回は、「。」(マル)〔句点〕の打ち方のモデルを紹介します。①マルは文の終止にうつ。正序・倒置・述語省略など、その他、すべての文の終止にうつ。 (例)春が来た。出た、出た、月が。どうぞ、こちらへ。 ②「 」(カギ)の中でも終…

句読点の活用法

こんばんは。今日は、句読点について考えていました。今回は、概略だけお話します。 句点(。マル)と読点(、テン)の使い方で、時々困ることはありませんか。特に読点は明確な規則がないので、困りますよね。江戸時代あたりから句読点が使われはじめました…

白川静の業績

こんばんは。私が漢文と親しくなったのは、石川忠久博士の担当するNHKラジオの漢詩講座を聞いたのがきっかけでした。そのラジオ講座からは、多くのことを学びました。その講座で、白川静氏の『詩経』と『万葉集』との比較研究のことを知りました。 そして最…

苗字+「の」+名前

こんばんは。いよいよ、今日から書かせていただきます。私は「岡田人篤」という名前で、「占い」の仕事をしており、「占い人間学」というブログも開設しています。興味のある方は、そちらもご覧ください。今回は、苗字と名前に「の」を入れる現象について書…

はじめまして

こんばんは。岡田純快と申します。よろしくお願い申し上げます。気になることを、気軽に書いていきたいと思います。専門は「日本語学」「国語教育」です。学術的なことは、一つの分野ではなく、すべてにつながるものなので、専門以外のことにも触れていきた…