日本語教育・日本語学・国語教育

日本語教育・日本語学・国語教育

日本語教育、日本語学、国語教育の分野は、それぞれが分離・独立しているような様相を呈しているが、かつての日本語教育の歴史をたどると、古くは松下大三郎、三矢重松、保科孝一、他には服部四郎金田一春彦といった日本語学の学者は、日本語教育に関わっていたことがわかる。彼らは、日本語教育の教室現場での教育実践での経験の積み重ねがあったからこそ、日本語学の知識が生かせたともいえる。このように日本語教育をきっかけに大御所となった人物が多いのも特徴的である。やはり、ネイティブが気付かないことを気付かせてくれる学習者の存在は、教師に新たな視点を与えるものであろう。
日本語学や国語教育学を専門とするに際しても、日本語教育を経験することは、重要なことなのであろう。また、国語教育と日本語教育も現在では乖離しているようであるが、芦田恵之助、輿水実といった国語教育の専門家が日本語教育の実践・研究に取り組んだことがあった。
学際化や博物学などが提唱される時代でもあり、このように、日本語学・日本語教育・国語教育の交流も大事にする必要もあると思う。