2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

予備校の現代文

こんにちは。岩手県から帰ってきました。また、今日から更新していきます。よろしくお願いいたします。 今回は、予備校の出版部の方針というものについて、書いてみることにします。予備校によって、実践問題集の出版物にある程度の違いがあることは、よく知…

テクスト分析について

こんにちは。今晩から、岩手県にセンター・私立・国立大学受験の国語の講義で出張です。そのため、このブログは、来週の水曜日(7月29日)までお休みさせていただきます。 今回は、テクスト分析について考えてみます。かつての近代文学は、作品・作家論でし…

現代文の知識本−語句からテーマ語へ

現代文の背景知識に重点を置いた学習参考書、すなわち、現代文重要語の本を活用することが、現在では一般的になりました。そのさきがけとなったのは、山本康裕編『現代語の演習』(中央図書)でした。この本は好評で、さらに整理、発展して、桐原書店が『現…

現代文と背景知識

現代文をテーマ別にわけて記述した本として、森永茂氏の『入試基礎強化・現代文』(学研)という本があります。現在は品切れなので入手は難しいのですが、この本の影響を受けている予備校の講義も多いようです。この本は、早稲田大学の石原千秋教授が推奨し…

現代文の参考書の歴史(7)

板野博行氏の現代文の書籍も多く書店に置かれています。もともと、板野博行氏は代々木ゼミナール講師で、『古文単語565』も代々木ライブラリーから出版するはずでした。ところが、東進ハイスクールに移籍したために、『古文単語565』は東進ブックスか…

現代文の参考書の歴史(5)

おはようございます。今回は、「堀木博礼」(ほりきひろのり)氏をとりあげたいと思います。まちがいなく、現在の予備校の現代文に大きな影響を与えた人物の一人です。知識量、勉強量ともに群を抜いていました。もともとは大学の教員であり、東京大学を二回…

現代文の参考書の歴史(6)

現在、現代文の参考書で一番売り上げがあるのは、大本教の出口王仁三郎の曾孫である、出口汪氏の書いた学習参考書でしょうね。書店にいくと、「システム現代文」や「実況中継」、あるいは「レベル別問題集」などの「出口の現代文」のシリーズとして積んであ…

現代文の参考書の歴史(4)

今回は、「田村の現代文」について書いてみます。長く現代文のバイブルであり続けてきた『新釈現代文』(新塔社)でしたが、『田村の現代文講義』(代々木ライブラリー)の出現によって、その地位を追われました。この本は、問題集型参考書ということで、た…

現代文の参考書の歴史(2)

長谷川泉という近代文学の大御所(森鷗外の研究で有名)で、「医学書院」を設立した人物がいました。晩年の長谷川泉にお目にかかったことがありますが、独特の雰囲気のある方でした。長谷川泉は、現代文の教育についても理論書を書いたりしていました。その…

現代文の参考書の歴史(3)

国語学者の書いた現代文の本としては、遠藤嘉基・渡辺実(両氏とも京都大学名誉教授)の書いた『現代文解釈の方法』(中央図書)と『現代文解釈の基礎』(中央図書)とがあります。文体判定などのマニアックな内容となっています。比較的短い文章を取り上げ…

現代文の参考書の歴史(1)

入試の現代文に取り組んだ最初の本格的な参考書としては、高田瑞穂(近代文学専攻で、当時は成城大学教授)の書いた『新釈現代文』(新塔社)でした。この本はロングセラーとして長く入試現代文のバイブルとして読まれていました。特徴としては、第一に入試…

現代文の広がり

こんばんは。現代文という科目は、扱い方や指導法にばらつきがあります。そのために、自分と相性のよい解説や指導法で書かれていることが必要です。例えば、本文の読解を中心にする読み方、設問の解き方を中心とした解説を行うもの、背景となる知識を注入し…

入試現代文に学ぶ

こんばんは。今回から、現代文についてのことを思いつくままに書いてみることにします。時折、「読書は好きだが、現代文の点数が取れない」という相談を受けることがあります。しかし、その読んでいるのはどんな本なのでしょうか。大概は、小説・物語なので…

漢文の基礎学習

古文と漢文との関係を考えてみます。以前は、漢文は簡単なので得点源にしているケースが多かったものです。しかし、最近は漢文が苦手というケースが増えました。なぜでしょうか。そもそも漢文のほうが古文よりも覚える分量が古文の三分の一なので、漢文は簡…

漢文のマメ知識を増やす本

こんにちは。今回は、マメ知識を増やすための一般書を紹介します。一般書としては、『漢文のよみかた』『漢語の知識』『漢詩入門』(岩波ジュニア新書)が面白く読めます。岩波ジュニア新書は、大御所が入門を執筆する方針であるため、たいへん本質的なこと…

受験の水準を超えた漢文の参考書

大学院入試や漢文マニア向けの漢文の参考書を紹介します。小林信明の『漢文研究法』(洛陽社)、二畳庵主人の『漢文法基礎』(Z会出版)、山田勝美・山本未正の『漢文入門』(駿台文庫)の三冊です。この三冊は、入試の水準をはるかにこえています。大学生…

センター漢文の参考書

こんばんは。今回は、センター対策の漢文の参考書を考えてみます。まずは、基本的な句形と単語は筋力トレーニングにあたりますから、その上で対策をとるようにしてください。 センター試験の場合には、マークに慣れることが大切です。そのため、予備校などで…

漢文の背景知識と単語

おはようございます。今回は、漢文単語と背景知識の話を書きます。漢文の単語や背景知識としては、『漢文句形と単語』(河合出版)と『漢文句形とキーワード』(Z会出版)がしっかりと作られています。『漢文句形とキーワード』は細かいので、難関私大や難…

漢文の学習参考書(4)

おはようございます。今回は、記述対策の本を紹介します。記述対策は、手堅く書かれているもののほうがよいと思います。あまりにも鮮やか過ぎる解説では、実践しにくいからです。 その意味で、漢文の記述対策としては、『記述対策・得点奪取漢文』(河合出版…

漢文の学習参考書(3)

おはようございます。今回は、有名な文章を収録した漢文の標準的な読解の本を紹介します。『基礎漢文問題精講』(旺文社)と『漢文句形ドリルと演習』(河合出版)が標準的で、有名な文章を収めています。『基礎漢文問題精講』は、國學院大學名誉教授の吹野…

宮下漢文の特徴

おはようございます。今回は、中野清氏の流れとは少し異なる宮下典男氏の漢文について述べてみたいと思います。 早稲田大学出身の漢文の講師は、予備校業界では個性的な方が多いのですが、その中の一人に、宮下典男氏がいます。宮下典男氏は、代々木ゼミナー…

漢文の学習参考書(2)

おはようございます。今回は、漢文の文法の参考書を紹介します。漢文の基本的な文法は、句形と呼ばれています。その句形はドリル形式で学習するのが効果的です。主にどのようなものが使われてきたかといいますと、『漢文ミニマム攻略法』(旺文社)や『漢文…