2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日本神話の中空構造

日本神話の「中空構造」 河合隼雄という心理学者は、文学の上でも大きな貢献を行いました。つまり、物語と心理療法などで、文学の論文も発表したのです。 日本の神話は神が中心にはおらず、いわば、「中空構造」で、西洋は神が中心」にいることを述べたもの…

我が師、我が友-古田東朔先生-

私が古田東朔先生に教えていただいたのは、大学院の「国語学史」という御講義でした。 飄々とした感じで、気さくな先生で、毎回、国語学のサロンのような感じでした。毎年、講義の内容が変わるので、7年ぐらい受講している先輩もいました。私は2年受講しまし…

厄年の意味

厄年の意味−西谷泰人のブログより 2012/10/10 現代版の、統計に基づく 科学的 「新・厄年」があった 75万人のデータから算出した、 病気になり易い男女の年齢が判明! 昨日は、厄年の話をしました。 厄年には、いい事が起こる人、反対に病気・災難が起こる…

ウェーバーの法則

1絶対閾・閾 感覚が生じる最小限の刺激差 2弁別閾・丁度可知差異 認識し得る最小の刺激差ウェーバーは、弁別閾(△Ⅰ)は標準刺激(Ⅰ)の強度に比例すること、すなわち、△Ⅰ/Ⅰ=一定の関係を発見し、この関係を、ウェーバーの法則と呼んだ。本を読んでいるとき…

現代日本語教科書の受身文(改稿)

現代日本語教科書の受身文 はじめに本稿では、系統の異なる以下の6冊のテキストを調査対象とし、現代日本語教科書の性質と受身文の関係を考察した。また、適宜、教師用指導書や中級テキストも参照した。1.NAGANUMA(1944)『FIRST LESSONS IN NIPPONGO』財団…

松本亀次郎と松下大三郎の受身の論について

松本亀次郎と松下大三郎の受身の論について 岡田 誠 はじめに近代における日本語教育史において、松本亀次郎は、宏文学院などで多くの留学生に長年にわたり日本語を教え、日本語教科書を多数執筆し、のちに日華同人共立東亜高等予備学校を創設した。また、松…

文法教育としての受身

文法教育としての受身 岡田 誠はじめに本稿では、中学生・高校生・社会人を対象とした文法教育を、受身の場合を例にとりあげて考察するものである。その際、従来の国語教育における文法の教授法でわかりにくい箇所を日本語学・日本語教育の先行研究から眺め…

受け身からみた日本国憲法

受身表現からみた日本国憲法 Nature of theConstitution of Japan seen in pasisiive expressions in the Japanese version of the Constitution 岡田 誠はじめに本稿では、フィロロジーの立場から「日本国憲法」を受身表現から見た場合、どのような構文的・…

受身文の理論と分類

受身文の分類と理論−松下文法を中心に−はじめに現在の受身文の分類研究において果たした松下大三郎の業績は、先行研究でも必ず引用されるほどである。しかし、引用される箇所にしか目が向いていないのではなかろうか。本稿では、松下大三郎の受身の論の中に…

古代の非情の受身と有情の受身について

古代の非情の受身と有情の受身について−その比較と考察本稿では、先行研究に見られる受身、とりわけ、古典の非情の受身と呼ばれる現象に着目してみた。そして、主に、中古の資料を中心として、有情の受身と呼ばれるものと、比較しながら扱った。 使用したの…

古典語の構文における受身表現

古典語の構文における受身表現 岡田 誠1.「る・らる」の語源「る」と「らる」は、橋本進吉(1925・1969)の述べるように、自動詞語尾「る」と関係のあるものと考えられているが、その語源については諸説ある。その諸説を整理すると、次のようになる。「る」 …

近代文法学史における受身と状態性

近代文法学史における受身と状態性−山田文法を中心に− はじめに受身の中で、非情の受身と呼ばれる表現がある。非情の受身は、三矢重松(1908)を嚆矢とし、日本語固有説と非固有説とがあることで知られている。また、日本語の受身の本質は状態性であるか否か…

松・竹・梅

松・竹・梅 縁起のいい植物として、「松竹梅」という言い方があります。これらは、日本の庭にはよく植えられ、住む人や見る人の心を和ませてきました。それでは、どのような効能があるのでしょうか。気の流れで考えると、「松」は南に植えると、神聖な木であ…