2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

音読について

音読についてA 四技能 発信 受信 音声言語 話す 聞く 文字言語 書く 読む B 「読む」ことの種類1.音読・・声に出して読む。一人でもできる。読むことが国語の時代。「源氏物語音読論」(折口信夫・玉上琢弥)。漢詩・和歌の朗詠 朗読・・作品の内容と、作品…

百人一首の修辞技巧

百人一首の修辞技巧【第一類】・・枕詞・序詞・・『万葉集』枕詞(枕詞の意味と機能) 枕詞は、三音・四音・五音・六音のものなどがあるが、五音が多く口語訳はしない。下にくる特定の語を引き出す。 一「草枕―旅」のように枕詞が受ける語を意味的に修飾する…

百人秀歌

『百人秀歌』の歌(百人一首に新たに入れられた歌) 人も惜し人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑにもの思ふ身は 後鳥羽院 ももしきや古き軒ばの忍ぶにもなほあまりある昔なりけり 順徳院(百人一首には掲載されていない歌) よもすがらちぎりしことを忘れずは…

百人一首鑑賞12-100

一二 空吹く風よ、雲の中の通い路を吹きとざしてくれ。天女たちの舞姿をせめてもうしばらくここにとどめておこうと思う。(鑑賞)天女のように見える五節の舞姫の美しさ 僧正遍照の出家前の歌 僧正遍昭は、歌のさまは得たれども、まことすくなし。たとへば、…

百人一首鑑賞1-7

一 秋の田のほとりに作った仮小屋の、その苫の網み目があらいので、私の袖は露にしっとりとぬれぬれてゆくばかりである。(鑑賞)暮れていく晩秋の静寂な収穫期の田園風景 奈良時代の農民が作った労働歌が、時代の流れとともに、天智天皇の作で、天智天皇が…

百人一首8-11

八 私の庵は都の東南、このように心のどかに住んでいる。だのに、この世を憂しとして逃れ住んでいる氏山だと、人々は言っているようだ。(鑑賞)宇治での隠棲生活ののどかな心 宇治山の僧喜撰は、ことばかすかにして、はじめおはりたしかならず、いはば、秋…

自伝文学の定義

自伝の定義であるが、フィリップ・ルジュンヌ(小倉孝誠訳1995)によると、以下のようにまとめられるとのことである。定義−誰かが自分自身の生涯を散文で回顧的に語った物語で、その物語が個人の生活、とりわけ人格の歴史を主として強調する場合、われわれは…

百人一首の寸評86-100

八六 嘆けといって月が私に物思をさせるのか、いやそうではない。それなのに、月のせいだと言いがかりをつけるように、流れ落ちるわが涙である。(鑑賞)月に相対して恋する人を思い、ふと落涙する孤独な姿態。八七 村雨が降り過ぎて、その露もまだ乾いてい…

百人一首の寸評71-85

七一 夕暮れになると、家の前の田の稲葉を、そよそよと音をさせて、それから芦ぶきの田舎家に秋風が吹きわたってくるよ。(鑑賞)門田の稲葉を吹き渡ってくる秋風七二 噂に高い高師の浜のあだ浪はかけまい。噂に高い浮気な方の言葉にはかかわるまい。浪に袖…

百人一首51-70の寸評

五一 せめて、こんなふうだと言うことさえできない。伊吹山のさしも草ではないが、あの人はさしも知るまい。私の火のように燃えあがる胸の思いを。(鑑賞)胸のうちに密かに燃える初恋のもの思い五二 夜が明けてしまうと、やがて日が暮れ、そうするとまた逢…

百人一首31-50の寸評

三一 夜がほの白くなって、有明の月かしらと思うほどに、吉野の里に白じろと降っている雪ではある。(鑑賞)薄明りの中に降り積もる雪の白さ三二 谷川に風がかけたしがらみとは、じつは流れきれずとどまっている紅葉のことだった。(鑑賞)谷川の流れの中に…

百人一首1-30の寸評

一 秋の田のほとりに作った仮小屋の、その苫の網み目があらいので、私の袖は露にしっとりとぬれぬれてゆくばかりである。(鑑賞)暮れていく晩秋の静寂な収穫期の田園風景二 春がすぎて夏がきてしまったらしい。夏になるとまっ白な衣をほすという天の香具山…

百人一首の口語訳75-100

七六 大海原に舟をこぎ出して眺めわたすと、はるかかなたに、雲と見まちがえるばかりに沖の白波が立っている。 七七 川瀬の流れがはやいので、岩にせきとめられる急流が二つに分かれていても結局は落ち合う。同じようにあの人と別れていても将来はきっと逢う…

百人一首の口語訳61-75

六一 昔の奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で、常にもましていちだんと輝かしく咲きほこっていることだ。 六二 深夜のうちに、鶏の鳴きまねで人をだまそうとしても、あの函谷関ならいざしらず、この逢坂の関はけっしてゆるすまい。 六三 今となっては、…

百人一首の口語訳56-60

五六 まもなく私は死んでこの世を去るであろうが、せめてあの世への思い出に、もう一度だけ逢いたいものである。 五七 久方ぶりにめぐりあって、その人かどうか見分けがつかないうちに、雲間に隠れてしまった夜半の月のように、あおの人はそそくさと姿を隠し…

百人一首の口語訳51-55

五一 せめて、こんなふうだと言うことさえできない。伊吹山のさしも草ではないが、あの人はさしも知るまい。私の火のように燃えあがる胸の思いを。 五二 夜が明けてしまうと、やがて日が暮れ、そうするとまた逢えるのだとは知っているものの、それでもやはり…

百人一首の口語訳46-50

四六 由の瀬戸を漕ぎ渡ってゆく舟人が、かいがなくなり行くえも知らず漂うように、どうなるのか見当もつかない恋のなりゆきであるよ。 四七 幾重にも葎の生い茂っているこの邸のさびしい所に、人は誰も訪ねて来ないが、秋だけはやってきてしまったのだった。…

百人一首の口語訳36-45

三六 夏の夜は、まだ宵のくちと思ううちに明けてしまったが、いま雲のどこに月は宿をとっているのだろうか。 三七 白露に風の吹きしきる秋の野では、緒で貫きとめていない玉が散り乱れたのだった。 三八 忘れ去られる私自身のことは何とも思わない。ただ神か…

百人一首の口語訳21-30

二一 あの人がすぐにも行こうと言ってよこしたばっかりに、九月の夜長に待ち続けているうちに有明の月が出てしまったことだ。 二二 それが吹くやいなや秋の草木がしおれるので、なるほど、山風を嵐というのであろう。 二三 月を見ると、あれこれとめどなくも…

百人一首の口語訳11-20

一一 海原はるかに、数えきれない島々めがけて舟を漕ぎ出してしまったと、人には告げてくれ。海人の釣舟よ。 一二 空吹く風よ、雲の中の通い路を吹きとざしてくれ。天女たちの舞姿をせめてもうしばらくここにとどめておこうと思う。 一三 筑波山の峰から流れ…

百人一首の口語訳(鈴木日出男版)の口語訳1-10

一 秋の田のほとりに作った仮小屋の、その苫の網み目があらいので、私の袖は露にしっとりとぬれぬれてゆくばかりである。 二 春がすぎて夏がきてしまったらしい。夏になるとまっ白な衣をほすという天の香具山なのだから。 三 山鳥の尾のその垂れさがった尾の…