神社の基本

☆神社の基本☆
神社参拝の作法
◆鳥居をくぐる。
鳥居の中心(正中[せいちゅう])は神様の通り道なので、中心を避けて歩く。
軽く一拝するとよい。参拝後も、振り返って軽く一拝するとよい。
◆手水舎[ちょうずや・てみずや]で清める。
まず、軽くおじぎ(小揖[しょうゆう])をします。それから次のような手順で行います。
1)左手を清める。
2)右手を清める。
3)左手に水を溜めて、口をすすぐ。 柄杓に口をつけるのは「杓水(しゃくみず)」
といわれて、無作法なのでやらないこと。
4)口をすすいだあとで、左手に水をかける。
5)柄杓の柄を清める。
6)柄杓を元のところに伏せて置く。
おわりも、軽くおじぎをします。
◆二礼二拍手一礼〔二拝二拍手一拝〕を行う。
1)軽く拝礼をする(一揖)。
2)お賽銭(硬貨)を鳴らしながら入れる。
3)三回ほど鈴を鳴らす。
4)二礼(二拝・二回深いおじぎ)する。
5)二拍手(二回手をうつ)する。
6)(合掌して願い事を伝える。)
7)一礼(一拝・一回深いおじぎ)する。
8)右回りで神前から下がる。
◎正式参拝の場合は、拝殿で行う。社務所で申し込みを行い、拝殿にあがる。
拝殿では、まずお祓い(修祓[しゅばつ])を受け、続いて祝詞が奏上される。
そのあと、玉串[たまぐし]を神前にささげ、二拝・二拍手・一拝を行う。
…… 参 ……

鳥居の役割
神社の入り口にある鳥居は、神が降りてくる神域と人間が住む世界とを区別するために置かれたもので、神殿がなくても鳥居があれば、そこが神域、すなわち神社とされます。起源については、インドの仏塔の門であるトラーナをまねたものであるとか、中国の宮殿などの前に置かれた華表[かひょう]という門にならって作られたという説があります。名称は神域に「通り入る[とおりいる]」がつまって「とりい」となったのであろうと、推測されます。


狛犬[こまいぬ]
参道の両側に、魔物が神域に入らないように警戒する魔よけや神前守護のための狛犬が一対置かれています。これはオリエントやインドのライオン像が、中国・朝鮮半島をへて伝えられたものです。その異様な姿が高麗[こま](朝鮮)の犬とされたものです。向かって右側が「阿(あ)」、左側が「吽(うん)」となっています。


鈴の役割
鈴を振る行為は、「鎮魂」[たましずめ]や「魂振り」[たまふり]と呼ばれる神事とされています。この手法が各地の神社に取り入れられていったものと考えられています。古代人は、鈴の音が神霊を招き邪霊を払うことによって、人間の持つ霊力が高まると考えていました。空中に多くの見えない精霊がいると考えていた古代人は、空気を揺らすことで、精霊の世界に自分の魂の意思を伝えることができると考えてきたのです。


賽銭の役割
賽銭の本来の役割は、日常生活で知らず知らずのうちに自ら犯した罪や穢れを清めてもらうために賽銭を神前に捧げることです。その賽銭は、祭りなどの費用にあてられていました。これは、祓具[はらえつもの]という考え方からきています。『日本書記』に、天照大神[あまてらすおおみかみ]を怒らせて日食を起こした素盞鳴尊[すさのおのみこと]が、自らのための祓いを行うときにすすんで「千座置戸」[ちくらのおきど](1000ほどの数の台に載せた多くの捧げもの)を差し出した話があり、これが祓具[はらえつもの]の起源とされています。



…… 四 ……

拍手[かしわで・はくしゅ]
拍手は、神様に敬意を表す表現である。柏手がうまく鳴らない場所は、霊的によくないと言われています。「左手は陽・霊」「右手は陰・身体」とする考え方があるので、右手を少し下げてから打つようにしたいものである。


神社の格付け
神宮[じんぐう]……………皇室と深いゆかりのある神社
(例)伊勢神宮鹿島神宮香取神宮
大神宮[だいじんぐう]……特別な社号(例)東京大神宮
宮[ぐう]……………………特別の由緒を認められた神社(例)天満宮東照宮
大社[たいしゃ]……………地域信仰の中核をなす大きな神社(例)出雲大社春日大社
神社[じんじゃ]……………もっとも一般的な神社
社[しゃ]……………………比較的規模の小さな神社


神職の格付け
一般には、神職のことを関東では「神主さん」、関西では「禰宜さん」と呼んでいますが、正式名称ではありません。伊勢神宮では、次のように六つの格付けがされています。
①祭主[さいしゅ]
②大宮司[だいぐうじ]
少宮司[しょうぐうじ]
禰宜[ねぎ]
権禰宜[ごん(の)ねぎ]
宮掌[くじょう]

だいたい比較的大きな神社では、次の四つをおいています。
宮司[ぐうじ]神社を代表し、祭祀や事務を監督する。
権宮司[ごん(の)ぐうじ]宮司を補佐する。
禰宜[ねぎ]宮司を補佐して祭祀や社務を行う。
権禰宜[ごん(の)ねぎ]禰宜を補佐する。
しかし、「宮司」か「禰宜」しか置いていない小規模の神社も多くあります。



…… 伍 ……