血液型をどう考えるか?

血液型をどう考えるか?
日本でたいへん馴染みのある血液型そのものが三つあることは、ドイツの医学者ラントシュタイナーによって1900年に発見されました。その後、1911年にドウンゲルンとヒルシュフェルトが四つの血液型を発見しました。それ以降、フランスとイギリスで、人類学・遺伝学の立場から研究が行われてきました。ヨーロッパで最初に血液型と性格との結びつきに注目したのは、レオン・ブルーデル(フランスの医師で心理学者)で、1960年に『血液型と気質』という著作を著しました。この本は、250人の統計をとり、心理学者のジュネベと共同で性格テストを行ったものでした。これは、職業適性に利用されて話題となりました。そして、このレオン・ブルーデルの血液型判断を、フランス式心理学によって多角的な研究に発展させたのが、ゴーグランでした。ゴーグランはフランスの心理学者で、西洋占星術や手相、人相に心理学的分析を試みたユニークな学者で、『他人を知る心理テスト』という本のなかで、ブールデルの血液型性格判断を紹介し、「血液は、我々の身体の中でもつとも重要な役割を果たしている。母親の胎内で人が発育する第一段階から、血液はもっとも重要な部分となっている。・・人間の性格を知る新しい判断法のひとつとして、血液型がこれから注目されていくにちがいない。・・血液型は心理学をベースにした占いを考えるのがいい」といっています。現在、西洋占星術や心理学を扱う分野では、このフランス式血液型診断を用いることが多い状況になっています。
日本では、教育心理学者の古川(ふるかわ)竹(たけ)二(じ)氏が1932年に血液型についての私見を述べ、1228人のデータを調査し、軍隊の適性試験に導入しようとして、注目をあびました。戦後は、作家の能見(のみ)正比(まさひ)古(こ)と能見(のみ)俊(とし)賢(たか)の親子が読者のアンケート葉書をもとに、10万人のデータを分析しました。これらに政財界・芸能界・スポーツ界の人物の観察を通じて、「血液型人間学」として確率されていきました。しかし、読者の葉書をもとにしたために、そのデータに偏りがあるという批判は免れませんでした。とはいうものの、形質の分類として、参考になる点は大いにあるといえそうです。日本の医学者・生物学者は「血液型と性格」との関係については、否定的な見解と肯定的な見解とがありますが、肯定的な見解を取った人物として、古畑種基博士、竹内久美子氏、寄生虫博士の藤田紘一郎氏(古畑種基の後継者)をあげることができます。
血液型と性格という「血液型占い」は日本で発達したものです。この血液型占いは、当たるようにも見えるし、当たらないようにも見えます。それは、四分類で考えているのが主な原因のようです。同じ血液型でも、環境の変化・教育・経験などによって変化してくるのはいうまでもありません。大本教の魂を四つに分類する「四(し)魂(こん)」の考え方でも、四つには分類するものの、それぞれの魂同士が融合したり、離れたりする現象を扱っています。そのように考えると、血液型は四つに分類できるものの、その時々に応じて、A型、O型、B型、AB型の要素がでてくるのではないでしょうか。大筋ではその血液型の性質の要素が底辺にあり、そこに経験などが加わり、それぞれの個性が出来上がっていると考えられます。つまり、ユングのような考え方で説明できそうです。大本教の「四魂」、血液型の「四分類」などのほかにオーラ測定にも、偏りがでる(赤・青・緑・白・黄が中心で、金・銀・紫は稀)という意見もあります。
近年の占いの世界では、「気学と血液型」、「西洋占星術と血液型」、「人相・手相と血液型」というように、他の占術と組み合わせて利用されることが多くなりました。セールスなどの対人関係攻略法にも利用されているくらい普及していますので、基礎ぐらいはおさえておきたいものです。