十二支とは何か

十二支とは何か
十二支とは、もともと月を数えるためのものでした。旧暦の11月から10月までを、
子(11月)・丑(12月)・寅(1月)・卯(2月)・辰(3月)・巳(4月)・
午(5月)・未(6月)・申(7月)・酉(8月)・戌(9月)・亥(10月)
のように配当していました。
すなわち、月は世界的に尺度として使われており、中国でも、一年を月の満ち欠けによって十二に区分して十二支に対応させていました。「支」とは、区分するという意味を示しています。この十二支が、
鼠・牛・虎・兔・龍・蛇・馬・未・猿・鳥・狗(犬)・猪(豚)
のように、十二獣に当てられるようになったのは、中国の戦国時代(紀元前403年から紀元前221年)ごろであろうと、推測されています。記述としては、王充の『論衡』に出てくるのが最初です。
なお、「猫」が十二支に入っていないのは、猫が鼠に騙されて天帝の前に伺候できなかったからだと、中国の説話に書かれています。なるほど、猫が鼠を追いかける理由がわかる気がする話ですね。次に、原義についてまとめてみます。
○「子」は、小児が両手を動かす形で、「孳(し)」という漢字と同義で、「生む」「茂る」の意味で、草木の種子がどんどん伸びて芽生える状態を示しています。・
○「丑」は、もともとは「紐(ちゅう)」と同じ意味で、草木の芽が蕾の中で固く結んだまま十分伸びていない様を示しています。また、伸びる芽が紐で縛られ、思うように成長できない状態を示します。
○「寅」は、敬してつつしむさまを示す言葉で、「螾(いん)」という文字からきており、草木が地中でじっと成長の時期を待っている状態です。
○「卯」は、門の扉が左右に押し開かれた形をあらわし、「冒(ぼう)」と同音であることから、冒険するように、草木が地面に押し分けて地上に萌えだす状態を示しています。
○「辰」は、大きな蛤を手で開く形で、「震」からきており、「振う」とようにゆれ動きながら、草木が活力をふるって伸びる状態を示しています。
○「巳」は、「蛇」の形で、くねくねとしたさまを示します。古い字体では「已」は「巳」であり、「巳」は「止む」の意味があり、草木が盛りを極めて止まった状態をさしています。
○「午」は、「杵(ご)」の原字で、貫き、祈り返す意味があり、落ちるという意味も含んでいます。そのため、草木が盛りの状態から、衰えはじめる折り返し時点をあらわしています。
○「未」は、「昧(まい)」で「暗」を意味しているので、木の枝葉が茂り、草木が成熟した状態をあらわし、あとは衰えて暗くなることを示しています。
○「申」は、「伸(しん)」で人がまっすぐに伸びた形、電光をあらわす形でもあり、草木が十分に伸びきった状態で、衰えながらもわずかな生命力がある状態であることを示しています。
○「酉」は、酒を入れる壷の形で、絞るという意味があり、草木の熟した実を壷に入れて絞る時節を示しています。また、「猶(ゆう)」という文字で、老いて縮小するという意味もあります。
○「戌」は、木が切り取られ、草木の滅び行く状態を示しています。また、「戌」は「殺」に通じ、滅びを暗示しています。
○「亥」は、「核(かく)」で「種」や「骨組み」を示す一方で、閉ざすという意味があり、草木が生命を閉ざして地中にもぐっている状態を示しています。