印鑑マニュアル

(1)個人用としては、「認印・銀行印・実印」の三本を持つ。会社などの法人では、「社印(角印)」「法人銀行印(会社銀行印)」「代表者印」の三本を持つ。
(2)材質は象牙・水牛・羊角・抹香鯨・河馬・柘植(つげ)で、柘植が一番無難である。石は彫るときに念が入りにくいので、落款などの雅印として用いる。動物の素材は天寿を全うし、自然死したものなら問題ないが、密猟したものも多いので注意が必要である。諸説あるが、象牙は、象のようにのんびりしてしまうので、働き盛りの人には向かない。また、水牛は割れやすく、成功するまでにそれなりの苦労が必要なので、向上心や忍耐力に優れた人が持つとよい。柘植は、一番密度も濃く長持ちし、人間の肌の色にも近く、生気に満ちていて自然からくる強い成長運気を、印鑑を通して得ることができる。そのため、柘植が一番無難である。
(3)書体は伝統的に独自性があり、荘厳で上品で雅やかな生気に満ちた書体である「篆書」を基本として、最近では増画法や接点法による画数調整の開運相の印相体の「鑑定印」でつくる。形は丸印が基本。
(4)認印は縦に苗字を彫る(攻撃を司る印鑑)。ただし、バランスが取りにくい場合は、横に彫ってもよい。また、女性の場合は、名前だけを彫ってもよい。
(5)銀行印は横に左から右へと苗字(女性の場合は名前)を彫る(健康運と財運の守りを司る印鑑)。ただしバランスが取りにくい場合は、縦に彫ってもよい。また、女性の場合は、名前だけを彫ってもよい。
(6)実印は「男性はフルネームか名前、女性は名前のみ」で彫る。その際、苗字と名前を縦に彫る(一生と指針を司る印鑑)。女性の場合は苗字だけを彫ってもよい。女性で専業主婦の場合は、フルネームでは彫らないほうがよい。銀行印は「男性は苗字のみ、女性は名前のみ」を横に彫る(健康運・財運・仕事運を司る守りの印鑑)。女性でも苗字だけを彫ってもよい。認印は「男女ともに苗字のみ」を縦に彫る(日々の運気を司り、攻撃を司る印鑑)。
(7)夫婦の場合、夫の印鑑のほうをやや大きめに作るのが原則。しかし、仕事を中心にしたいのなら、妻も夫と同じ大きさの印鑑でもよい。
(8)大きさは、実印(18ミリ・15ミリ)・銀行印(15ミリ・13、5ミリ)・認印(12ミリ・11ミリ・10、5ミリ)の順にする。長さは60ミリ。
(9)側面は決して彫りをいれない(エグリ・サグリを入れない)。
(10)使わなくなった印鑑は、印鑑供養するか、白い紙に包んで、仏壇か神棚、または暗い引き出しに二、三年しまったら、土に埋める。
(11)印鑑は一代限りなので、親や人から譲り受けた印鑑は使わない。
(12)文字と文字とがくっつくように彫るとよい。
(13)会社などの法人では、「社印(角印)は、サイズは縦横21ミリ角、長さは60ミリでくびれなし」、「法人銀行印(会社銀行印)は、周囲に会社名、中央に銀行之印と刻印、サイズは直径18ミリ、長さは60ミリでくびれなし」、「代表者印は周囲に会社名、中央に代表取締役印と刻印、サイズは直径18ミリ、長さは60ミリでくびれなし」が標準的な作り方である。
(14)印面がきれいに写るように押すとよい。その際、「の」の文字を意識して押すとよい。押し終わったら、必ず拭くこと。あまりに汚い場合には古いハブラシで手入れをするとよい。