手相の科学2014.10.09

左手と右手の意味するもの
左手をみるのか、右手をみるのかについては、さまざまな意見があります。主に左手と右手とは、以下のものが行われてきました。
1.男女の違い(東洋の陰陽思想に基づき、男は左手・女は右手とする考え方)や利き腕の手で見る。
2.両手を組んだときにどちらが上になるかでみる方法(浅野八郎氏が提唱したもので、組んだときに上にくる手が消極的な手(変化を受けにくい手)で、下にくる手が積極的な手(変化しやすい手)とする考え方)。
浅野(あさの)八郎(はちろう)氏は、両手を組んだときに約70%の人は右手が上になるとし、「右手が上になる人は合理的な考え方をする人が多く、人と打ち解けるのが得意」「左手が上になる人は個性的な発想ができるが変わった行動が目立つことがある。」「消極的な手は先天的な気質や隠れている意識を暗示し、積極的な手はその人らしさ、未来に起こると予想される事柄を暗示し、積極的な手を中心にみる」ということを提唱しています。実際に両手を組むと、親指が下になる方の手は、シワが多くなったり、変化しやすいという結果が出ています。親指が下になる方の手は脳の微妙な変化を受けやすく、脳の状態をリアルタイムで示すということがわかってきました。大概は右利きの人は、左手の親指が下になることが多いので、「浅野式は左手重視」ということとなります。
しかし、近代の手相学では左脳と右脳との関係で、右脳が左手・左耳に対応し、左脳が右手・右耳に対応することがわかってきました。その結果、脳の研究の成果が適応されることになりました。キロも「左手は持って生まれたもの、右手は自分が作るものだ」と述べています。
現在の手相学では、脳波(α波・β波・θ波・γ波など)や大脳生理学の研究や、日本では品川嘉也(しながわよしや)博士や大島(おおしま)清(きよし)博士や志賀一(しがかず)雅(まさ)氏の研究などでさらに発展し、
1.左手が先天的なもの・幼少期の環境から受けた影響・無意識の領域・前世を反映されている。
   (受動的・先天的・抽象的・精神的・私的・本人に潜在している運勢・相手の想い・本来の自分)
2.右手は後天的なもの・物質的な発展・意識的な領域・切り開いたものが反映されている。
(能動的・後天的・具体的・現実的・公的・本人が切り開いた運勢・自分の想い・実際の自分)
という考え方が主流になりつつあります。そのために、以下の国際的手相家の西谷(にしたに)泰人(やすと)氏の見解を導入するケースが増えてきました。
1.0歳から35歳ぐらいまでは左手が7割を占め、右手が3割を占める。つまり、35歳までは左手を中心にみる。
2.30歳から35歳以降は右手が7割を占める、右手が3割を占める。つまり、35歳以降は右手を中心にみる。
この、「35歳までは左手を中心に見て、35歳以降は右手を中心にみる」というやり方で実際に鑑定してみるとよく的中します。キロも、「25歳から35歳までの若いときの生き方が、その後の人生に大きく影響する」と述べています。さらに、実際の鑑定の時には左手を中心にみると、その方の才能がある程度見えてきます。左手と右手がほぼ同じ手相の場合には、本来持っている人生をそのまま実現していきやすい人なので、自分の中では矛盾が少ないといえます。また、左手と右手が大きく違う場合には、本来の自分(左)と実際の自分(右)との間にズレがあるために精神的な葛藤が多く、右手によって自分で大きく予定を変更して35歳頃以降切り開いていって大きく変化したことが読み取れ、天才的な才能・特異性・二面性の持ち主であるといえるのです。
また、右手よりも左手がよい場合には努力不足ですし、逆に左手よりも右手がよい場合には才能を磨きがんばって生きているといえます。別の視点でいえば、「才能でやっていけるのは35歳までで、それ以降は自分自身の生き方によるところが大きい」ということです。そのため、四柱推命などの生年月日を用いた占いは左手に対応することが多く先天運だけで読み取るために、後天運の影響の強くなってくる35歳以降、あまり当たらなくなります。また、女性の場合は、結婚後は右手の運勢が強いようです。
医師としては、甲田(こうだ)光雄(みつお)氏が腸の働きに注目し、「腸の左の部分が右手に、腸の右の部分が左手に対応する」「右手が変わりやすいのは左の腸は宿便が溜まりにくいからで、左手が変わりにくいのは右の腸に宿便が溜まりやすいからだ」と見解を述べています。甲田光雄氏が提唱する健康法は、西勝造(にしかつぞう)氏の創始したものを継承・修正・発展させたもので、「西式(にししき)甲田(こうだ)療法(りょうほう)」と呼ばれています。それはすなわち、「食事療法と運動療法」を軸としたものです。このことは、腸に注目することが手相をよくするということにつながることから、「健康が運をあげる」ということが言えるでしょう。他に腸を重視する医師としては『病気にならない生き方』(サンマーク出版)の著者である新谷(しんや)弘美(ひろみ)氏をあげることができます。