仏教、密教、チベット仏教

密教について

(成立の流れ)
■BC6世紀、釈迦が仏教を起こす→アショーカ王カニシカ王の保護→仏教僧はインテリ階級としか会話をしなくなる→戦乱時の一般庶民には現実逃避の理想論→一般庶民の反感→イアンテリからも反感→仏教僧は派手な儀式を考え出す→マントラ真言)を繰り返しとなることで仏の加護が得られるとした→前期密教の成立
■AD5から7世紀、衰退→チベットでインドから優秀な学者や技術者を呼び集める→優秀性をアピールするために教義の体系化を計る→中期密教
■インドでの仏教の衰退→農村では性の喜びを謳うヒンズー密教(タントラ思想)が流行→仏教僧はヒンズー教を取り込むが仏教の方がすぐれているとアピール

ヒンズー教+仏教=密教
1ヒンズー教シヴァ神大日如来の家来とした。
2ヒンズー教のイヴァ神の妻のカーリー(パールヴァティー)を釈迦如来に調伏され、心を入れ替えた鬼女とした。
3快楽を求めるヒンズー教と快楽の否定を説く仏教は接点がないため、「ヒンズー教は人間と性交するが、仏教では宇宙と性交する」とした。さらに、宇宙と一体化したときに感じる快感は、性交時の百倍の気持ち良さであるとした(8C後半)。
4やがて、悟りを得るためには何をしても罪にならないという危険思想が生まれ、チャクラの開発、超能力の会得に力を入れ、経典の研究よりも厳しい修行を積むことを重視した。そのため、必要とあれば女性との性交も積極的に行い、大いなる力を得るためには黒魔術の儀式なども頻繁に行うようになった。
5当時のインドは、世界の技術先進国であり、多くの国々から留学生が集まっていたため、チベットからインドへ、医学や工業を学びに来ていたチベット留学生たちは、熱心に学び、母国へ伝えた(チベット仏教の成立)。

チベット仏教の宗派
ニンマ派
(開祖)8世紀末成立
シャーンタラクシタ、パドマ・サンヴァバ
(特徴)
地母神崇拝
○カギュー派
(開祖)11世紀成立
マルパ、ミラレパ
(特徴)
チャクラの開発、何度も転生してこの世を救済するとした、オカルト色が濃い
サキャ派
(開祖)11世紀成立
コンチョク・ギエルボ
(特徴)
悟りを目指そうとする人間は、それを志す時点で成仏しているとした。
ゲルク派
(開祖)14世紀成立
プトゥン、ツォンカパ
(特徴)
厳しい戒律を説き、霊力をつける修行よりも戒律を重視。心の平安は顕教密教の両方を学ばないと手に入らないとした。この宗派の一つに、ダライ・ラマ制度がある。