荘子

荘子
老子は、実在の人物でなかったともいわれるが、荘子は紀元前4世紀ごろ実在したとされる。荘子はとらわれのない自由な精神を徹底させた。王様が、彼に宰相になってくれと頼んでも放置した。最愛の妻が亡くなったとき、「生も死も本来一緒だったのだ」と棺桶に座って歌っていたと伝えられる。
○万物(ばんぶつ)斉(せい)同(どう)(斉物論)
すべては等しい。貴賤・優劣・美醜などの価値観は、人間が創っただけのものである。道からみればすべて差はない。
○真人(しんじん)(至人(しじん)・神人)
名誉や分別・智恵を捨てて、生死を悦んだり、悲しんだりせずに受け入れて生きる、人為的価値観から自由な人。真に自由な精神を持つ、自然と一体になって虚心に遊ぶこと(逍遥遊)ができる人。
○逍遥遊(しょうようゆう)
社会の常識やものの見方・考え方に囚われず、自然に振る舞い、自然に従って生きることである。
○心斎座忘(しんさいざぼう)
心斎は心のけがれを捨て去り、心を無にして自然と一体になることで、私利私欲・名誉・智恵・仁義・礼、感覚や識別から離れて心を無にすること。真人の心構え。座忘は人為的なものを忘れ去り、肉体から心を解き放ち、無の境地(なにものにもとらわれない状態)に入ることである。