主語について

主語subject・主題theme(題目topic)・主格nominative case

主語
叙述構文の補足部の一つ。述語と対応し、述語の表す動作・作用・存在の主体、あるいは性質・状態・関係などの帰属する主体を表す成分。
(例)
風が吹く。(動詞文)
風が涼しい。(形容詞文)
風がさわやかだ。(形容動詞文)
風がある。(存在詞文)

主題
風は、空気の移動だ。
主格
風が吹く日

主語廃止論−三上章『現代語法序説』−
1英語のように、述語動詞に強い影響を与えない。
2「甲ガ 乙ニ 丙ヲ 紹介する。」の例文において、「甲ガ」は「乙ニ」「丙ヲ」などと比較して、「紹介する」との関係が絶対的に優位にあるわけではない。一般化すると、主語とされているものは、他の補足部(連用修飾・保護・補充成分)と本質的な差はない。
3「風があるらしい。」において、「風が」は「ある」とは関係するが、「らしい」の部分にまで力を及ぼさない。一般化すると、主語とされているものは、必ずしも述語の全体と関係するわけではない。
4「2に2を足すと4になる。」の文のように、主語が最初から予想されていないような文が日本語には多数存在する。
北原保雄は主語を「主格補充成分」とした。

主語を認める立場−柴谷方良−
1主格の相対的優位
2基本語順で文頭に起こる。
3再帰代名詞の先行詞として働く。