人間学のすすめ

junkai42122010-06-05

人間学のすすめ
 死んでからあの世に持っていけるのは、「学問」「芸術」「信仰心」の三つだといわれます。ところが、「学問」は大きく考え方が変わってしまっています。現在では、学問は「人文科学」「社会科学」「自然科学」の三つから成り立つとされています。
 しかし、戦前はそのような視点ではなく、学問を「人間学」と「時務学」とに分けていました。「人間学」とは人間が生まれながらにして与えられている徳性を育成する学問のことで、「時務学」とは知識・技術を習得するための学問のことです。特に、学問は「人間学」を指すことが多かったようです。まさに人間学は真に役立つものですから、安岡正篤氏は「活学」と呼びました。
 活学のためには小説は役にたちませんから、読書全体の二割ぐらいで十分です。読書のきっかけは小説でも、だんだんと人間学などの本を読む比率を高くしていくことが、人間として成長するために必要なことです。小説はやわらかい読書にあたりますから、メインであってはいけません。あくまでデザートでよいのです。