純文学と大衆文学

「純文学と大衆文学」
 純文学(純文芸)と大衆文学(大衆文芸)との違いは、近年明確にわけられなくなってきました。菊池寛の創設した、純文学は芥川賞で新人に与え、大衆文学は直木賞で実績の積んだ人物に与える、という違いについても、池田満寿夫エーゲ海にささぐ』が芥川賞を受賞して以来(選考委員の間でもめた作品)、内容的に区別しにくくなっています。
コードの視点で考えると、「純文学」は生産中心の「送り手コード」によって生み出されるのに対して、「大衆文学」は、消費中心の受け手コードによって生み出されると考えられます。
 参考までに菊池寛(あだ名は。「くちきかん」口をきかないの意味)の定義を引用しておきます。「作家が書きたくて書いているのが銃文芸で、人を悦ばすために書いているのが大衆文芸だ」