民俗学での苗字の考え方

民俗学的な苗字の研究を考えてみたいと思います。主に、その苗字の由来から遺伝子的なものを推測するという立場をとっています。誰もが苗字を持っていましたが、それを名乗れずにいたため、自分の苗字を忘れてしまい、明治時代に入ってから神主に苗字をつけてもらったり、あこがれの苗字を名乗ったりするケースも多かったようです。たとえば、「佐藤」という苗字は、「藤」は藤原家の系統であることを示し、「左」は官職名の「左衛門府」に由来するようです。また、「鈴木」は「穂積」(稲の穂をつむ儀式)という熊野神社の家柄に由来し、その穂積の山の中心にたてた木を鈴木ということが起源のようです。それが、神社の「鈴」と結びついたのが始まりのようです。これらの研究は、主に丹羽基二氏と佐久間英氏がその方面の研究を行いましたので、興味のある方は参考にしてみてくださいね。

なお、丹羽基二氏によると、苗字の由来は

1地名型

(例)田中・中村・内田など

2職業・屋号型

(例)綿谷・米谷など

3官職型

(例)太宰など

4信仰型

(例)神・釈・三輪など

5外来型

秦・羽田・羽鳥など

の順位になるそうです。また、佐久間英氏によると、苗字に使われる文字で多いのは、

1田 2藤 3山

4野 5川 6木

7井 8村 9本

10中

となるそうです。