東亜高等予備学校『日本語のはじめ』の受身表現
○東亜高等予備学校『日本語のはじめ』(1932)
東亜高等予備学校(1932)の33課で、簡単な会話文例を並べ、問答形式で受身文を扱っている。また、受身の例文を主に示した上で、可能と尊敬の例文を示している。以下、文例である。
号外ハ 何デスカ。
人ヲ 殺シタ賊ガ、 今朝 ツカマヘラレタノデス。
殺サレタノハ ダレデス。
殺サレタノハ 八百屋ノ小僧ダサウデス。
イツ、ドコデ 殺サレタノデス。
昨夜 品川デ 殺サレタノデス。
金ヲ トラレタノデセウカ。
ソレハ ヨク ワカリマセン。
ドコデ ツカマヘラレマシタカ。
上野デ ツカマヘラレタサウデス。
ウマク ツカマリマシタネ。
サウデス。 ハヤク ツカマッテモノデス。
近頃ハ、ドウモ 物騒デスネ。
私ノ店デモ、 先日、 外套ヲ 三枚 盗マレマシタ。
サウデスカ。 不景気デスカラ、 泥坊ガ 多イノデスネ。
賊ガ人ヲ殺シマシタ。 人ガ賊ニ殺サレマシタ。
私ハ日本文ガ書カレル。 私ノコトヲ新聞ニ書カレル。 先生ガ文ヲ書カレル。
賊 泥坊 物騒 不景気
殺ス 盗ム ツカマヘル ツカマヘラレル ツカマル