イスラム教

イスラム教】
7世紀のアラビア半島ムハンマドが創始したイスラム教は、ユダヤ教キリスト教の大きな影響を受けている。イスラム教では、同じ一神教であるユダヤ教キリスト教を姉妹宗教と考えている。イスラム教の聖典は『クルアーンコーラン)』と『聖書』である。
イスラム教は、厳しい戒律や最後の審判の強調に特徴がある。ムハンマドの新しい教えは、伝統的な民族宗教を信じる人々から迫害を受けたため、ムハンマドはメッカを追われ、622年にメディナに逃れた。しかし、その後、勢力をたくわえたムハンマド一行はメッカのカーバ神殿を襲撃した。民族宗教の偶像を破壊してイスラム教の神殿に塗りかえ、ここを聖地とした。
○開祖ムハンマドマホメット
最後の預言者でメシア、神の子ではない。イスラム教では、モーセもイエス預言者の一人として扱う。ムハンマドは「最高にして最後の預言者」として彼らの上位に立つ。後継者であるカリフも預言を変えることはできない。
○アラー
唯一絶対神で造物主。偶像崇拝の禁止。神の子を認めないことで神の唯一性は強められる。キリスト教の三位一体説(神・神の子・聖霊が同質であること)は否定される。
聖典クルアーンコーラン)』
ムハンマドによって伝えられた神の言葉(神の啓示)がまとめられたもの。信仰から日常生活の掟までが記述されている。
○六信五行
六信・・神、預言者、天使、聖典、来世、天命を信じること。
五行(五つの実践徳目)・・信仰告白、聖地への巡礼、聖地メッカへの方向に向かって行う礼拝、ラマダン月の日中における断食、貧しい人に施す喜捨
最後の審判の強調
この世の終わりに、アラーがすべての人を裁く→神の教えに従い、戒律を守った者は天国へ、神の教えに背いたものは地獄へ行くこととなる。聖戦(ジハード)で命を失った者は必ず天国に行ける。
イスラム共同体の形成
神の前の平等→部族の違いを乗り越えてウンマイスラム共同体)を形成。