文献学

文献学(書誌学)

?芳賀矢一の文献学・・ドイツ文献学の影響
明治40年(1907年)東京帝国大学芳賀矢一が「日本文献学」という題目で講義
文献処理は、書誌学(Bibliographie)・本文批評学(Text kritik)・注釈学(Exegetik)を基礎学とし、その上で語学史や文学史を打ち立てるという方法を提示。
(文献学で扱う事柄)
写本の書写年代はいつか、その作品はいつ創作されたかという成立の問題。
作者の並びに著者に関する問題。
本文の正純が不純かを明らかにする本文批評の問題。

?現在の文献学
書誌学・本文批評学・注釈学の分化。その後、書誌学と本文批評学は融合して文献学と呼ばれるようになっている。

?「書誌学」と「本文批評学」
書誌学・・文献の外部的な面(文献の種類・書写年代・伝承経路)の究明を行う。
本文批評学・・文献の内部的な検討を行う。本文異同など。

?文献の種類
文献の形態
巻子本・冊子本
  形
四半本・六半本・桝形本・枕本・豆本
紙質
鳥(とり)の子紙(こがみ)・楮紙(ちょし)・・原料は楮(こうぞ)の繊維
筆跡・書体・書風
近世初期に古筆鑑定家(古筆家)の出現
写本と版本
写本・・時代・個人・流派・貴族・僧侶など。
版本・・木活字本・製版本
書写区分
本文・奥書・跋文・頭注・行間の書き込み
校訂
本文の合理的整理
系統
校合(きょうごう)によって系統を分類
校本
底本を設定して、異同を示したもの。
定本
校本の次の段階で、確定させたもの。良本を使用し、諸本・訓読・音韻・文法・注釈学などの見地から本文を補う。