2013-06-04から1日間の記事一覧

古代の非情の受身と有情の受身について

古代の非情の受身と有情の受身について−その比較と考察本稿では、先行研究に見られる受身、とりわけ、古典の非情の受身と呼ばれる現象に着目してみた。そして、主に、中古の資料を中心として、有情の受身と呼ばれるものと、比較しながら扱った。 使用したの…

古典語の構文における受身表現

古典語の構文における受身表現 岡田 誠1.「る・らる」の語源「る」と「らる」は、橋本進吉(1925・1969)の述べるように、自動詞語尾「る」と関係のあるものと考えられているが、その語源については諸説ある。その諸説を整理すると、次のようになる。「る」 …

近代文法学史における受身と状態性

近代文法学史における受身と状態性−山田文法を中心に− はじめに受身の中で、非情の受身と呼ばれる表現がある。非情の受身は、三矢重松(1908)を嚆矢とし、日本語固有説と非固有説とがあることで知られている。また、日本語の受身の本質は状態性であるか否か…