評論の考え方

 こんばんは。今回から、以前、講演会用に作成した資料をもとに、現代文の考え方を掲載したいと思います。

○評論の考え方
 評論は、物事の価値・よしあしなどを批評して、自分の意見を述べた文章です。評論では、冒頭部分は話題の提示をすることが多く、重要になることが多いものです。その話題の提示の後に、その内容の説明がきたり、理由がきたり、具体例をあげたりして説明していくことが多く、言いたいことは、表現を変えて繰り返し強調していきます。また、日本語の文章の場合には、冒頭と末尾とは対応するように構成されていることが多いのも特徴的です。逆に、具体例からはじまる文章もありますが、必ず、具体例から一般論を導いたり、主張を導いたりする箇所がでてくるので、順序が入れ替わるだけで、基本は同じです。
 さらには、「二項対立(二元論・対比構造)」と呼ばれている、二つの対立するものを述べていくことで、筆者の主張をはっきりと、際立たせる形式で書かれている文章も多いので、おさえておくとよいでしょう。特に、英語・フランス語などの欧文の影響を受けている筆者の場合、英語の長文読解のように構造的に書かれてくることも知っておきたいところです。接続語としては、「しかし」「だが」「けれども」などの「逆接を表す接続語」が一番重要で、逆接の後ろに、筆者の主張が表れやすい。段落のまとめとしては、「このように」「そのように」といった、まとめの指示語や「つまり」「すなわち」「いわば」「言い換えれば」「要するに」などといった「言い換え・要約の接続語」によって導かれてくることが多いので、段落の単位で内容をつかみたいときは、それらも参考にするとよいでしょう。逆に、接続語がほとんどない文章の場合は、文と文との関係が密接であるということになり、段落を変えることで、切れ目を示す。評論では、第一段落か最終段落、あるいは、最終段落から一つ手前の段落に重要なことが書かれていることが多いのです。また、作者にとってプラスと考えている言葉なのか、それとも、マイナスと考えている言葉なのかを意識することも重要です。