近現代の日本文学史の教養的参考書

 おはようございます。今回は、近現代の日本文学史について書きたいと思います。

近現代の日本文学史は、出題される大学と出題されない大学があり、現在では出題されない大学が一般的です。なぜかというと、近代文学では「文学史解体」という考え方が主流であるためです。実際にどの派に属するという意識は作家にはないと考えられているからです。センター試験では一度も出題されていませんね。一部の国立大学、私立大学、短期大学では出題されている学校もあるようです。

 近代文学史は、できるだけ面白くまとめてあるものがよいでしょうね。学習参考書の中で面白く教養的に書かれているものは、二冊あります。すなわち、
○田村秀行『本音で迫る日本文学史』(大和書房)
○出口汪『早分かり・日本文学史』(語学春秋社)
の二冊です。『本音で迫る日本文学史』は、やや偏った記述はあるものの、面白く書かれています。そして、『早分かり・日本文学史』は、主義・主張ごとに整理してあります。ただ、問題がついていませんから、あくまで教養的な読み物として利用するのがよいでしょう。一番、文学史を最短でマスターするには、『ぶっつけ日本文学史』(文英堂)の問題を解きながら解説をよむのがよいと思います。

私が大学で日本文学史の講義を受けたときには、「上代・中古」「中世・近世」「近代・現代」と三科目受講しました。大学院入試でも文学史が出題される(完全記述式)ので、この講義の教科書とノートをよく読みましたが、詳しすぎたので、方針を変えました。つまり、『本音で迫る日本文学史』と『早分かり・日本文学史』をノートにまとめ、そのうえでそのノートに大学の講義や教科書の内容を肉付けしてノートを完成させました。もちろん、しっかりと書けました。ノートをつくると、頭が整理させるので、記憶されるものですね。また、哲学者の鷲田小弥太氏も指摘するように、学習参考書の中には、すばらしい水準のものもありので、あなどってはいけませんよ。