バイオリンから学んだこと

 こんばんは。先ほど、NHKの番組で「さだまさし」がバイオリンを弾きながら、「南こうせつ」と「神田川」を歌っていたのをみて、私がバイオリンを習っていたことを思い出しました。今回は、そのときバイオリンから学んだことを書きます。
 私は、バイオリンの個人レッスンを受けていた時期があります。そのため、音楽の成績はいつもずっとよかったものでした。バイオリンは音感を養うには、最適だと思います。
 主に、篠崎弘嗣(しのざきひろつぐ)氏の教本と鈴木鎮一(すずきしんいち)氏の教本で個人レッスンを受けていました。どちらかというと、鈴木鎮一氏の教本の方が使いやすいと思いました。
 鈴木鎮一氏は、バイオリンを中心とした教育についての提言を行っていた人物で、多くのバイオリニストを育てました。欧米で高く評価されています。私が個人レッスンを受けていたころはまだ、鈴木氏は存命であったので、長野で実際に鈴木氏に指導を受けた友人などもいました。
 あるとき、鈴木鎮一氏の書いた『愛に生きる』(講談社現代新書)を読みました。そのとき、鈴木メソッドのすばらしさがよくわかりました。簡単にまとめると、次のようになります。
○人間は環境の産物である。
○すべての子どもはよく育つ。
○音楽にかぎらずあらゆる習い事は、早ければ早いほど良い。
○経験の繰り返しは、学習にとって大事である。
○教師や親(すなわち大人社会の環境)は、高い水準に保たれるべきであり、子供にとってより良い学習環境を提供できるように成長し続けなければならない。
○教育組織や指導法は、「いつ、何が、何を、どのように」という教師の理解に基づいて、子供のために説明がなされなければならない。
 この中で、私が納得したのは、「環境を整えることの重要性」と「繰り返し」でした。一曲のCDを聞き、その音をもとに楽譜の読み方を学び、そして一曲を暗譜できるまで弾くことができたら、次の曲に入ることができるシステムです。それは、勉強にも応用できるのではないかと思いました。そのやり方で「百人一首」も覚えていくと、非常に和歌へのセンスがよくなります。つまり、私はバイオリンから、一つ一つ確実にこなしていくことの重要性を学んだのです。数学も好きではありませんでしたが、教科書の問題を一つ一つ丁寧に、ノートに書いて理解して解答を出すようにしていたため、定期試験は乗り切れていました(入試レベルは無理でしたが・・)。
 この『愛に生きる』という本には、実際にアインシュタインに会ったときのことなどについてもふれてあります(アインシュタインのバイオリンの音色やピアノの音は、甘美な音色だったそうです)。興味深い本なので、古本で見つけたら買っておくとよいでしょうね。私も引っ越しなどでなくしてしまったので、また買いなおしたいと思っています。