記述問題の考え方

 こんばんは。今回は、「記述問題の考え方」ということで私の作成したテキストの原稿を掲載してみることにします。


記述問題の基本的な考え方
(記述の基本事項)
〇古典では、該当箇所を見つけたら、その部分を口語訳することが大前提である。
① 記述問題は、「部分要約式(抜き出し問題の変形)」と「条件加算式(設問条件を数え上げ部分を積み重ねる)」とがある。
② 傍線問題は、傍線部をいくつかに区切り、それぞれに内容を解答に反映させる。
③ 指示語と比喩とは見落とさないようにすることが必要である。
④ 接続語や、省略されている主語・目的語などの特殊条件も考える。
⑤ 傍線部前後にも指示語のなどの条件がある可能性があるので、注意する。傍線は、一文まで拡張して考えて、少なくともその文の中の文法的な要素はすべて条件にする。
⑥ 傍線のない問題では、設問文の中に条件となる事柄がないかどうかを確認する。「部分要約式」を基準にして、それを複数化するとよい。
(解答の種類)
① 解答の種類としては、「内容説明問題(設問部と同じ事柄を違う表現で答える)」と「理由説明問題(設問部の前に考えられる事柄を答える)」とがある。
② 傍線問題は、解答が、最後の単語が置き換えられていることが重要である。
③ 「内容説明問題」では、傍線の最後の単語の置き換えができているかを確認する。
④ 「理由説明問題」では、最終的には、傍線部と同じ事柄を答えてはならない。解答の「―から」のあとに設問部を続けて読めればよい。傍線の説明問題では、傍線の最後の単語の理由を説明するようにする。
⑤ 「理由説明問題」でも、傍線部の特別な要素は「内容説明」する必要がある。
(記述で使うことば)
記述問題の解答に用いる言葉は、本文中にあるものを優先する。
② 「部分要約式」でも、字数やまとめ方の都合で、自分の言葉を使うことがある。
③ 「部分要約式」では、条件によって、本文に適当なものがない場合には、自分の言葉を用いる。自分の言葉は、筆者の考えを本文にない表現で表したものである。
(下書きの基本と削除の仕方)
下書きは解答の2から8割多く書いておく。
平仮名を漢字にする。
長い語を短くする。長い表現を短い語に置き換える。
不必要な修飾部分を削る。ニュアンスが変わる程度はやむをえない。
文の構造を変えて、同じことを短く言う。
主語を変える、能動・受動を転換させるなど
(要約問題の考え方)
要約文は、「内容は筆者のもの」「文章は自分のもの」であるものを言う。
要約文は、箇条書きしたものを、接続詞や指示語を使って、自分で考えてつなげる。
文の数を減らすために、いくつかの部分を一つの文にまとめる。
必要な部分をしっかりと残し、不要な部分は捨てる。
本文の記述を順番に並べるだけではなく、適当に順番に入れ替えたり、同じ内容は一つにまとめたりする。
本文よりもわかりやすいものであることが必要である。
⑦ 六十字までは一文で書き、六十字以上になったら、二文にわける
(字数制限の考え方)
① 文字数のオーバーは、絶対不可。
② 一マスに、機械的に一字・一記号を入れる。
③ 五の倍数で書く。(四十三字以内なら、四十字以上。八字以内なら、五字以上。)
④ 字数制限がないときは、解答用紙の八割以上は埋める。
(句読点について)
① 十五字以上は、読点(、)を使う。
② 読点(、)を使ったら、必ず、句点(。)を使う。
③ 六十字までは一文で書く。六十字以上は二文にする。
④ 句点は文の最後、述語で終わる場合、それに準じた「―こと」「―から」で締めるときに打つ。
⑤ 国立の記述では、ほとんどの場合、句点を打つ。
⑥ 読点を打たない程度の語の説明で純粋に名詞で終わるのなら、句点を打たない。
⑦ 語の説明は、途中に読点を打つようなら、句点も打ち、短ければ句点は打たない。
(代表的な記述問題の答案の書き方)
①「AとBとの違いの説明」
Aは〜、他方、Bは〜。
②「AとBとの共通点の説明」
Aは〜、同様に、Bも〜。
③「AとBとの矛盾点の説明」
Aは〜。しかし、Bは〜。
(古典の記述の特記事項)
〇古典では、該当箇所を見つけたら、その部分を口語訳することがまず必要である。
〇記述問題で、傍線部の主語を文中の語で示すときに、複数の呼び名がある場合は、はっきりしている人物名を優先させて書く。優先順位は、①人物名②官職名・官位名③通称。
〇傍線部訳の注意点
①助動詞・助詞
②敬語
③重要単語・呼応の副詞
④主語・目的語・指示副詞。
〇わかりやすく解釈する場合
①主語(動作主)
②指示語の指示内容
③目的語・補語
④省略語