神話の見直し−『古事記』と『旧約聖書』

 こんばんは。このところ、なかなかブログを更新できませんが、がんばって更新しますので、よろしくお願いいたします。

古事記旧約聖書
古事記』は、現存する最古の歴史書であり、稗田阿礼が誦習していた『帝紀』と『旧辞』とを、元明天皇の命令で、太安万侶が記録したものです。712年に成立したもので、序文と上中下の三巻から成り立っています。天地の創造から推古天皇までの神話・説話・歌謡、皇室の系譜などを扱ったものです。文体は漢字の音と訓とを交えた変体漢文で書かれており、語り物的叙述によって、古代人の生活・情感が生き生きと描かれ、文学性に富んでいます。
 内容をまとめると、次のようになります。

序文―『古事記』を漢字を用いて表記することの苦心談が述べられている。
上巻(神代の巻)―天地創造から、初代の天皇といわれている神武天皇の誕生までを扱っている。国生み神話・出雲神話天孫降臨神話などが有名である。
中巻(人代の巻)―初代天皇である神武天皇から第一五代天皇である応神天皇までの記述である。神武天皇による東征伝・ヤマトタケル英雄伝説などが有名である。
下巻(人代の巻)―第一六代の仁徳天皇から第三三代推古天皇までの記述を扱っている。仁徳天皇の国見・雄略天皇の国家経営説話などが有名である。

 『古事記』の冒頭の部分と『旧約聖書』創世記の箇所がよく似ていることはよく指摘されています。東西でも発想は似たようなものですね。
旧約聖書』創世記(古代ヘブライ民族の神話)では、次のように始まります。

始めに神が天地を創造された。地は混沌としていた。暗黒が原始の海の表面にあり、神の霊風が大水の表面に吹きまくっていた。まず、神が、「光あれよ」と言われると光が出来た。神は光を見てよしとされた。神は光と暗黒との混合を分け、神は光を昼と呼び、その暗黒を夜と呼ばれた。かくて夕あり、又朝があった。以上が最初の一日である。(岩波文庫による)

シュリーマンが『古代への情熱』の中で語ったように、神話の世界のものでも実は存在したものも多いので、侮れません。河合隼雄氏が「神話の見直し」を説いていましたが、大切なことかもしれませんね。