儒教の魅力
「儒教の魅力」
私は、儒教を好んでいます。私の書棚には、中国哲学の本がたくさんあります。学生時代に、急に王陽明(実践の学としての知行合一を説いた)を読みたくなったのがそのきっかけでした。その理由としては、
○あの世の存在を説いておらず、現実主義的であるため、実生活に役に立つ生き方を説いている。
○政治学と道徳を人間学という視点からとらえるので、整理して考えることができる。
などがあげられます。
この魅力を活かして一般に語りかけたのが、「安岡正篤」「白川静」「吉川幸次郎」「藤堂明保」「貝塚茂樹」「小川環」「加地伸行」などです。なかでも、「安岡正篤」は、儒教を道徳と政治学に適用して、生きた人間学としてその活用を説き、大きな支持を得ました。企業・政財界では今でも安岡正篤の本はよく読まれています。
日本人は、墓参りにいきますね。あれは先祖崇拝ですから、仏教ではありません。先祖崇拝は儒教なのです。ですから、日本の仏教を儒教と融合しています。そのため、「儒教仏教」となっていますから、僧侶なども「仏教」と「儒教」を学んできました。禅宗の五山でも、『論語』の講義録などが残されています。
『論語』を読んだら、その発展として『孟子』を読み、さらに伊藤仁齋の『童子問』という、近世に書かれた解説書を読むと理解しやすくなります。古臭いという偏見を持たず、試しに読んでみてくださいね。