「忠」と「心中」

「忠」と「心中」
「仁・義・礼・智・信・忠・孝」とは、儒教のキーワードですが、近松門左衛門は「心中」という言葉を作りました。男女が一緒に死ぬことを「心中」といいますが、これは「忠」という漢字をひっくり返して作った言葉です。やはり、「忠」に反する意味合いがあるといいうことなのでしょうね。近松門左衛門は、うまく作ったものです。『曽根崎心中』『心中天の網島』などの心中物は、人気を博しましたが、江戸で心中を行うものが多くて、近松は処罰されてしまいました。「心中」の真意を庶民は理解しなかったのでしょうね。