森田正馬博士の「あるがまま」

 こんばんは。今回は、森田療法で有名な森田正馬博士の「あるがまま」について紹介してみます。

○あるがまま(自然服従
 あるがままというと、「自然な」「自然体で」「そのまま」などいう意味に捉えがちですが、森田がいう「あるがまま」というのは、少し意味が異なります。つまり、森田療法の「あるがまま」とは、気分や感情にとらわれず、今自分がやるべき事を実行していく、目的本意の姿勢を示しています。
 「今日は気分が悪いから、気分が晴れてからにしよう」とか、「不安だから会社や学校に行けない」「この不安さえなければ良いのに」など、神経症者が陥りがちな逃避行動やその姿勢を戒めたものです。気分や感情は、天気と同じように自分でコントロールできるものではなく、時間が経つと自然に落ち着いてくるものです。そのため神経症者は、不安な感情や症状はそのままにして、今日すべき仕事や目の前にある家事などを気分や感情にとらわれずに、目的本意で行う、これがあるがままの姿勢だと説明したのです。「あるがまま」は「なすべきをなす」ことであり、「ころころ変わる心」は相手にしないで、優先順位をつけて行動するということになります。
受験などでもそうですが、逃げずに悩みを持ったまま、とりあえず机に向かってみていると、三昧の境地になっていくから不思議です。逃げるのはよくないので、まずは目の前ののものに取り組みましょう。