パスカルの『瞑想録』

パスカルの『瞑想録』
 パスカル(1623―1662)は、合理主義と神秘主義の両面を持つモラリストです。パスカルは、精神を「繊細な精神」(直観)と「幾何学的精神」(理性)とに分けました。デカルトの合理論では、「幾何学的精神」(理性)だけを重視しすぎたと批判し、デカルトの考えでは人生の問題は扱えないとし、直感的能力の大切さを説きました。また、『パンセ(瞑想録)』の中で、「人間は考える葦」(人間は一本の葦のように弱いが、考えることができる偉大な存在である)や「クレオパトラの鼻が低かったら歴史は変わっていた」などの名言は有名です。パスカルは数学者でもありましたが、日本でも直観を重視した数学者がいます。それは岡潔です。岡潔の『春宵十話』というエッセイは奥深いことを述べています。