記憶について

○記憶について
 「記憶力」について興味を持ったことはありますか?私は、たいへん興味を持った時期があります。それは、中学・高校のころでした。私は、好きな科目しか勉強しないので、嫌いな科目はほとんど手をつけませんでした。結果的に学問はどの科目でもみな共通であることに気づいたのは、大学院生になってからです。
 「記憶力」について、心理学的にアプローチしたものとして面白かったのは、多湖輝『ホイホイ勉強術』(ごま書房)と南博『記憶術』(光文社)でした。どちらも、心理学的な記憶方法を示していました。特に、その日か翌日の復習の効用が参考になりました。また、記憶するテクニックとしては、渡辺剛彰『記憶する技術』(徳間書店)が、連想やゴロなどの、どうしても記憶できないものを記憶するテクニックを教えてくれていて、参考になりました。
 ほかに、梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)、渡部昇一『知的生活の方法』(講談社現代新書)、竹内均『私の知的鍛錬法』(徳間書店)、糸川英夫『驚異の時間活用術』(PHP文庫)、野口悠紀夫『超・整理法』は、仕事のできる人物の時間管理、読書法などの勉強方法がよくわかりました。
 大脳生理学や脳波にも興味があって、時実利彦、志賀一雅、品川嘉也の本も読みました。そのときには、呼吸の大切さがよくわかりました。また、密教の立場から池口恵観の書いた「求聞持法(ぐもんじほう)」の本も参考になりました。
このように、ひとつにこだわらず、多角的にアプローチしていくとたいへん面白いと思います。以前、読売文化センターで、それまでのノウ・ハウを活かした「記憶・勉強術」についての講座の企画があがったことがあります。そのときには、スケジュール上、延期にしましたが、もし講座を行うとしたら、三ヶ月から半年講座にして、先人達や達人達を紹介しながら多角的にアプローチした講座にしたいと思っています。