孔子と孟子

孔子孟子
 儒教の基本は、孔子の『論語』と孟子の『孟子』だといわれます。江戸時代の儒者伊藤仁斎は『論語』を発展させたものとして『孟子』があることを述べ、支持されてきました。その論に谷沢永一氏は、反論を加え、『孟子』を諸子百家の一人にすぎないと述べました。その理由が鋭いので紹介いたします。
○『論語』は人の世に生きてゆく道を説き、『孟子』は徹頭徹尾、政治論を説いており、人の生きてゆく道については説いていない。
○『論語』は現在もなお生き続けているが、『孟子』はすでに死んでおり、現代人が読んでも役に立たない。
○『孟子』の「性善説」は、断定を好む議論好きの、理屈のための理屈にすぎない。
 谷沢永一氏は鋭い論調でしられている碩学の一人です。はっとすることを指摘するので、読んでみるとよいでしょう。