速読について考える

 最近、「速読」が注目されていますね。中学入試や高校入試などでも活用されはじめていますね。また、「速読」はスポーツや目の筋肉を鍛えるのに役立つということで、注目されていますね。
 私が独学で学んだときには、川村明宏博士の呼吸も取り入れた「左脳型速読」が使いやすいといわれていました。比較的挫折率の少ないやり方だと思います。しかも、眼筋を鍛えることになるので、読むのが楽になります。経営コンサルタント船井幸雄氏は「速読」を使っていますね。また、望月俊孝氏の行っている、速読をパワーアップさせた「フォトリーディング」と呼ばれるものや、七田眞氏の速読もありますね。これらは、「右脳速読」と呼ばれていて、習得すれば五十倍から百倍のスピードになりますが、習得するのに時間がかかる点やセンスが必要であるという難点もあります。
 「精読」は、それなりに味わうことができますが、ビジネスなどの大量の情報を処理するには不向きです。「精読」は、気に入った本を読むのに適したものといえます。平野啓一郎氏のように文学作品のスローリーディングを薦める方もいます。その場に応じた、さまざまな読書のスタイルがあってよいと思います。
 速読を使わなくても、知っている分野の内容であれば速く読めるということもいえますし、読書量が多ければ、拾い読みで速く読むことができますね。「速読」と「精読」の真ん中を行った人物としては、中谷彰宏氏、佐藤優氏、司馬遼太郎氏、竹内均氏をあげることができます。彼らの特徴は、目次を見て必要な箇所だけ精読し、あとは斜め読みにするというものです。この方法を中谷彰宏氏は、「効果的な読書」つまり、「効読」と名づけています。この「効読」は、学者が分析処理するときに行う方法です。この方法は有効なので、一番よいかもしれませんね。
 内容やその分野の用語を知っていることと、読書量の多さが速さを生み出すことはいうまでもありません。しかも、その速さは専門的なものは、ゆっくりと読むことになりますし、軽いものは速く読めます。  
 つまり、段階があって当然なのです。その点を上手に処理した速読を提唱した人物に、今村洋一氏がいます。今村洋一氏は、読書の姿勢を正しくして、左脳型速読の基本訓練をしたあとで行えば、特に意識していなくても、スピードが二倍から五倍上がることを示しています。自然な速読の姿なので、私は支持しています。
 ほかに栗田昌裕博士によって提唱された「指回し」をすることで、自然とスピードが速くなることも知られています。つまり、体で速読するという姿勢ですね。
「速読」について私の体験を踏まえてまとめると、次のようになります。
○用語は知っておいたほうが速く読めるし、理解も深まる。
○読む本の内容によってスピードが変わるのは当然である。
○右脳型速読よりも、左脳型速読のほうが学びやすい。
○特に読むときには、スピードは意識しなくてよい。
○呼吸や読むときのフォームも意識したほうがよい。