脳の特質
「脳の特質」
脳の仕組みは、大脳生理学の立場からの解明が進んでいます。その脳の仕組みを記憶や心理に適応するということも心理学では行われてきています。NLPなども「脳の取り扱い説明書」などと日本語訳されます。今回は、記憶という意味でわかりやすく書かれた本、池谷裕二『脳の仕組みと科学的勉強法』(ライオン社)の内容を抜粋してまとめてみます。自律神経や副交感神経にもよいような、脳科学的な生き方にも通じる考え方です。
1脳の細胞は一千憶個
2脳は覚えるより忘れることのほうが得意
3脳はストレスに弱い→グルココルチコイドという悪玉ホルモンの分泌
4脳は「感情が絡んだ出来事」と「本人が覚えようと意識したものごと」を記憶する
5脳は生命に必要な情報だけを選んで記憶するように設計されている
6エビングハウス(1850-1909)の忘却曲線→記憶の半分は四時間以内に消える→四時間超えても記憶されているものは比較的長く記憶される→復習すると記憶は増強される
7記憶は失敗と繰り返しで強化される→継続する努力と失敗してもめげない努力
8基礎から難易度をあげた方がマスターがはやい
9脳はおおざっぱ→大局をつかんでから断片的知識へ
10脳は使うほど性能が向上する
11学習の転移→ある分野の理解の仕方を覚えるとほかの分野の理解の仕方も向上する→異なる分野の法則性や共通点をみつける能力が高まる(方法記憶=魔法の記憶)→累乗の効果
12記憶→「経験記憶」と「知識記憶」
13イメージ・語呂あわせ・人に話す・五感の活用→経験記憶
14内容を連合豊富にする→精緻化
15記憶のピラミッド(人間の成長)→方法記憶(体で覚える記憶で無意識で忘れにくい)・知識記憶・経験記憶→丸暗記から論理へ
16レミセンス(目から鱗)にはある程度の時間が必要
17興味→α波、θ波。興味なし→β波。
18喜怒哀楽→扁桃体という細胞が活動→行き過ぎると「トラウマ」へ
19空腹ぎみ・室温はやや低め→生命の危機感→脳の記憶が上昇
20情報→必要なものは海馬で選別→必要な情報は大脳皮質に保管
21記憶→睡眠→復習