ふくらはぎマッサージ

(ふくらはぎマッサージの魅力)
この数年、ふくらはぎマッサージが雑誌の特集で組まれることが多くなり、私も久しぶりに石川洋一博士の「ふくらはぎマッサージ」を思い出しました。現在の日本の医療費は、すさまじい金額に上ります。安易に薬を処方しすぎるからですし、また、薬に頼りすぎているのです。まずは、予防医学に力を入れることが大事です。特に、石川洋一先生は世界的な外科医でしたが、西洋医学よりも、ふくらはぎマッサージで血流をよくして予防医学の普及をさせることを使命として、メスを捨てて、晩年はふくらはぎマッサージの普及に努力された方です。人間は二本足で立っているため、人間だけが血液を戻すポンプとして、ふくらはぎが発達しました。ふくらはぎが一番はたらくのは、歩いているときであるといわれています。しかし、歩く時間のとれないことも多いので、ふくらはぎマッサージで代用しようというわけです。

(よいふくらはぎ・わるいふくらはぎ)
◎よいふくらはぎ
冷たすぎず熱っぽくなく温かい・ゴムまりのように弾力がある・つきたてのお餅のようにやわらかい・皮膚にハリがある・奥にしこりがない・指で押したときひどい痛みがない・指で押して離すとすぐに元に戻る・痛みやだるさがない
◎わるいふくらはぎ
手のひらより冷たい・ほてったように熱い・弾力がなくふにゃふにゃしている・ガチガチにかたい・むくんでパンパンに張っている・しこりがある・押すとひどく痛いところがある・押した指の跡が消えにくい

(症状別・ふくらはぎの対応箇所)
内側
冷え性・生理不順・便秘・ホルモンの失調・更年期障害・排尿困難・膨満感・肝臓の不調など
中央
動悸・イライラ・息切れ・頭痛・坐骨神経痛・腰痛・むくみ・膀胱炎・胸痛・不眠など
外側
頭痛・首痛・肩こり・腰痛・めまい・耳鳴り・肋間神経痛・ひざ痛など

(ふくらはぎの状態)
熱くてかたい・・高血圧
熱くてかたくない・・急性炎症、かぜなど
冷たくてかたい・・冷え性、婦人病、自律神経失調症
冷たくてやわらかい・・糖尿病
冷たくてやわらかく弾力がない・・腎臓病
(ふくらはぎマッサージのやり方)
Ⅰ基本のストレッチ
○足を伸ばして座り、両手をお尻の後ろにつきます。息を吐きながら、ゆっくり大きくつま先を伸ばします。息を吸いながら、つま先を起こし、足首が直角になるように曲げます。これを3回から5回繰り返します。
○息を吐きながら両足の5本の指を縮めて「グー」を作ります。息を吸いながら5本の指を広げて「パー」にします。これを3回から5回繰り返します。
○右足首を太ももの上に乗せ、右手で押さえます。左手の指を右足の5本指の間に入れ込み、足首をゆっくり回します。3回から5回行ったら、逆方向に回し、左足首も同様に行います。
Ⅱ基本のマッサージ
○ウォーミングアップとして、ふくらはぎを「なでる」「さする」「もむ」「たたく」行いをします。
ふくははぎの内側を下から上へと、息を吐きながら1センチぐらいの間隔で3回から5回ほど押していきます。
○ふくははぎの中側を下から上へと、息を吐きながら1センチぐらいの間隔で3回から5回ほど押していきます。
○ふくははぎの外側を下から上へと、息を吐きながら1センチぐらいの間隔で3回から5回ほど押していきます。
※両手の親指を重ね、体重をかけるつもりで行うと理想的です。圧力のかけ方は、痛気持ちいい程度がちょうどよいとされています。
○ひざ裏を押していき、凝りのある箇所を押しもみします。3回程度押し、凝りのある箇所をほぐします。
※血流を妨げる老廃物がたまりやすいのが、ひざ裏です。
○内くるぶし、外くるぶし、後ろの順番に、アキレス腱の周囲を手でもみほぐします。
※くるぶしの周囲はツボの宝庫です。
Ⅲ仕上げのストレッチ
壁に両手をつき、左足を前に出して、右足を後ろに引きます。息を大きく吸っておきましょう。次に、両足を床につけたまま、左足を曲げ、息を吐きながら脚の裏側をグーッと伸ばします。そのまま10秒キープします。左足も同様に行います。常温の水か白湯を飲みます。