人間とは

人間とは
○ホモ=サピエンス(英知人)
理性を持ち知恵があり考えることを人間の本質と考える。古代ギリシア以来の伝統的人間観を汲んだ人間観。植物学者リンネが唱えた。
○ホモ=ファーベル(工作人)
道具を使ってものをつくり、自然に働きかける存在。ベルグソンが唱えた。これは、いっそうアクティブな人間観である。
○ホモ=ルーデンス(遊戯人)
人間だけが、音楽やスポーツなど、生命や種の維持に直結しない「遊び」を行い、そこから文化を創り出すことを強調する。歴史家ホイジンガが唱えた。
○シンボルを操る動物
言語、記号などのようなシンボルを使うことに注目した人間観。哲学者カッシーラが唱えた。

生きる意味と「他者」
フランクルの「意味への意志」(『夜と霧』)
ユダヤ強制収容所に収容された経験をもとに、生きる「意味への意志」を持つことの必要性を指摘する。
○神谷恵美子の『生きがいについて』
ハンセン病患者使節で治療にあたった経験から、病人への理解と生きがいの重要性を説く。
○マルチン=ブーバーと「他者」
人間は他者との間に「我と汝」の関係を持つことが大切であると唱える。それは、自他の独立を保った上での共感と親密さにあふれた関係である。
レヴィナスと「他者の顔」
人間が存在の苦しみ(イリア)から脱出するためには、他者の顔と向き合い、他者を思いやることができたときであると考えた。