国語教科書の主語

国語教育での主語の扱い

国語教育では主語の転換については具体的に記されているものは見当たらないが、小学校国語教科書を調査した島田康行(2004)によると、以下のように6社調査すると主語・述語という語の初出は、6社中4社は3年(下)または4年(上)に集中するという報告がある(具体的な出版社名は記されていないが、光村図書、教育出版、東京書籍、三省堂学校図書など、採択率の高い出版社であると考えられる)。
2年(上):1社
3年(下):2社
4年(上):2社
掲載せず:1社
現在の状況を知るために、採択率の高い出版社の小学校国語教科書で、平成25年(2013年)に発行された教科書の主語の初出をみると、以下のようになる。
光村図書・・2年(下)
教育出版・・3年(下)・・目次には立項していない
東京書籍・・2年(下)
三省堂・・
学校図書・・
また、現在の学習指導要領(平成20年)を見てみると、小学校学習指導要領(国語)では、「第一学年及び二学年」で「主語・述語」という表現が出てくるが、中学校学習指導要領(国語)では「主語・述語」という表現が出てこない。この点について、島田康行(2004)は、中学校国語教科書では主語という語を使用して文法事項の体系的なまとめを掲載しているにもかかわらず、学習指導要領では昭和26年を最後に、33年以降、主語という語が使用されないが、学習指導要領解説では主語という語が使用されていることを問題点として指摘している。