見えない主語

文の中で・・文のモダリティによる
「座れ」のような命令文の主語は二人称になるなど。
働きかけ文・・〔君が〕話してください。
提案文 (例)〔君が〕やってみたらどうですか。
勧誘文 (例)〔(私も)君も〕行きましょうよ。
申し出文 (例)〔私が〕調べてみましょうか。
外面表現文・・〔彼は〕うれしかったようだ。
推量表現 (例)このへんに住んでいるようだ。
推論表現 (例)もう手配しているはずだ。
様態表現 (例)悲しそうだ。悲しがっている。
伝聞表現 (例)もうすぐ始めるって。
内面表現文・・〔私は〕休みたい。
意志表現 (例)そろそろ寝ようっと。
感情表現 (例)うれしい。気になる。
感覚表現 (例)痛い。お腹がすいた。
思考表現 (例)思う。考える。
希望表現 (例)行きたい。行ってほしい。
句の中で・・話し手と動作参与者の関係による
「電話をかけてきた」のような「てくる」という述語の主語は一人称にはならず、三人称になるといったことなど。
尊敬・謙譲表現・・〔彼が〕お出かけになった。
(例)大丈夫だとおっしゃいました。
大丈夫だと申し上げました。
受益表現・・〔彼が〕誘ってくれた。
(例)レンタカーの予約をしてくれた。
レンタカーの予約をしてあげた。
レンタカーの予約をしてもらった。
方向表現・・〔彼が〕夜電話をかけてきた。
(例)〔彼が〕夜遅く電話をかけてきた。
家まで押しかけていった。
複文・連文の中で・・近くにある主語との関係による
前の文に主語があり後の文に主語がなければ、後の文の主語は前の文の主語と同じになることが多いなど。
主文との関係・・〔私が〕聞かれて私は困った。
(例)小学生のとき、私は札幌に住んでいた。
小学生のとき、札幌に住んでいた。
ほめて、気分がよくなった。
ほめられて、気分がよくなった。
ちょっと話したら、何のことかすぐわかった。
前の文との関係・・彼は小さいときに両親を亡くした。〔彼は〕それからずっと祖母に育てられた。
(例)田中は思いつくままにメロディーを作った。そのあと、それに歌詞をつけた。
拍手をした。すると、手を突き上げた。