自伝文学の定義

自伝の定義であるが、フィリップ・ルジュンヌ(小倉孝誠訳1995)によると、以下のようにまとめられるとのことである。

定義−誰かが自分自身の生涯を散文で回顧的に語った物語で、その物語が個人の生活、とりわけ人格の歴史を主として強調する場合、われわれはこれを自伝と呼ぶ。
この定義は、三つの異なったカテゴリーに属する要素を含んでいる。
1.言語の形態
(a)物語
(b)散文
2.取り扱われる主題
個人の生活、個人の人格の歴史
3.作者の位置
(a)作者、語り手、作中人物は同一の人間
(b)物語の回顧的展望
(pp.10−11)