句読点の活用法

 こんばんは。今日は、句読点について考えていました。今回は、概略だけお話します。
 句点(。マル)と読点(、テン)の使い方で、時々困ることはありませんか。特に読点は明確な規則がないので、困りますよね。江戸時代あたりから句読点が使われはじめました。当時はまだ読点がありませんでしたから、読点の箇所にも句点を打って代用していました。さて、句読点の機能としては、次のように、
  一、休止の機能
  二、論理の明確化
という二つのことがあげられます。句点までの単位を一文と呼びますが、読んでいて心地よいリズムとしては、二十字から四十字(長くても六十字)で一文が構成されていることが多いようです。小説家の大江健三郎[おおえけんざぶろう]氏やフランス文学者の蓮見重彦[はすみしげひこ]氏のように、外国語の翻訳調で文章を書くと、どうしても一文が長くなり読みにくくなります。
 日本で初めての句読点の本としては、権田直助の『国文句読考』をあげることができます。です。これは主に文語文に適応させたものです。公のものとして、具体的に示したものとしては、明治三十九年二月文部省大臣官房調査課草案の「句読法(案)」があり、一般にはそれを現代口語文に適応できるように拡充した昭和二十一年三月に出た文部省国語調査室編「くぎり符号の使い方(句読法)(案)」があります。
 しかし、実際には強制力をもっていないために、官公庁や学校の教科書ではこのルールで統一していますが、「新聞」「雑誌」などの一般のものでは、自由に用いられ、個人によって好みも反映されます。作家の丸谷才一[まるやさいいち]氏は、「わたしの好みでいへば、句読点なしでもすらすら読める文章に、ところどころ、筆者の親切として句読点がついてゐる、といふ感じの書き方が好きです。」と述べています。一般的に学者の書いた文章は句読点が多くなる傾向があるといわれています。また、息継ぎにあたる部分に読点を打ちたくなる傾向もあるので、個人の肺活量とも関係するといわれたり、心理学者の波多野完治[はたのかんじ]氏のように文章心理学の立場からの心理分析も行われたりもします。では、参考までに文部省国語調査室編の句読点の使い方を示してみますので、小学校で教わったころのことを思い出してみてください。新たな発見があるかもしれません。