樋口裕一の小論文の参考書の長所と短所

 書店の学習参考書のコーナーをみると、小論文の参考書としては樋口裕一氏の著作がたくさん置かれています。試しに私も読んでみました。特徴としては、知識で書く小論文という印象を受けました。また、意見をパターン分けして書いているという印象を受けました。従来の小論文の図式を変えたといわれる参考書なので、目を通しておく必要はあるでしょうね。しかし、欠点も目に付きます。つまり、入試の現代文の評論の主流とは離れている記述が目立つということです。つまり、知識をひけらかしている印象を受けるので、実際にこの本で得た知識をきちんと理解していないと、小論文を書いたときに鼻につく可能性があります。それに高校生らしくない小論文となり、逆に悪印象です。また、結論をイエスかノーかに分けていますが、これはいかがでしょうか。やはり、一部賛成、修正発展という論調が通常ではないでしょうか。この本の著者の樋口裕一氏は、入試の現代文の指導をしていない方ではないでしょうか。もし、入試現代文の評論を指導すれば、もう少し、広がりのあるものになると思います。樋口裕一氏の本は、参考にはしてもバイブル化は絶対しないようにしてくださいね。薬でいうと、劇薬にあたりますから。余談ですが、樋口裕一氏は、以前国学院大学の夜間部でフランス語の大学講師をしていたことがあり、そのときの受講生の方に聞いたことがあります。あまり評判はよくなかったようです。