大江健三郎という作家
大江健三郎という作家
大江健三郎というノーベル賞作家がいますが、難しくて読む気になれないという方は多いのではないでしょうか。なぜ読みにくいのか、という理由をあげてみます。
○難しい漢字が多い
『広辞苑』を読むのが趣味で、必要以上に大江健三郎は、漢字を多用して書いてきました。これは読みにくい原因となっています。京都大学の今西錦司、梅棹忠夫などのグループは、漢字をやさしいことばに置き換えて、多くの読者を獲得しました。
○一文が長い
文体が欧米文の直訳調で書いているために、一文が長いのです。文章の名手としわれた志賀直哉が一文が二十文字から四十文字だったのに比べて、大江健三郎は軽く一文が六十文字を超えてきます。これでは、読んでいて疲れますし、テンポが悪いのです。他に内容面の問題があります。
○差別用語が多くある
大江健三郎の文章は差別用語が多く使用されており、教材に使う時に、たいへん困ることが多いとよく言われています。ノーベル賞受賞は、テーマが「戦争と障碍者」だったので、受賞しましたが、反面偏った思想も含んでいるのです。
○よく調査しないで日本全面謝罪論を展開している
『ヒロシマノート』『沖縄ノート』など、日本軍の行動をよく調べもしないで、全面的に日本軍を悪と決めつけた記述を繰り返しているために、訴訟問題になってきました。これだけ、訴えられた作家も珍しいですね。インテリを気取るわりには、調査や偏見が多い作家であるという印象があります。このような思い込みの激しさから、文化勲章辞退が起きたり、典型的な左翼作家として『悪魔の思想』という本の中で断罪されてしまったりするのでしょうね。文化勲章を辞退するなら、ノーベル賞も事態が当然ですし、日本が嫌いなら、海外に住むのが当然です。それらを考えあわせると、ドナルド・キーンが大江健三郎を悪く書いているのもよく理解できます。
先日も原発反対運動に参加していましたが、足りない電力の補いも考えての反対が責任あるインテリの姿ではないでしょうか。ただ反対なだけでは、かつての浅はかな学生運動や安保反対運動と同じではないでしょうか。ノーベル賞作家ではありますが、日本人の心を扱った川端康成とは大きく異なりますね。生きていれば、井上靖、阿部公房が受賞したはずですから、棚から牡丹餅の受賞といわれているのもうなづけますね。