文学史の整理

文学史の整理)上代から中世

 

上代文学

 

古事記・・稗田阿礼誦習。太安万侶の筆録。

日本書紀・・舎人親王

万葉集・・大伴家持撰。「ますらをぶり」

 

物語文学(平安時代

 

【伝奇物語】

竹取物語・・「物語の出で来はじめの祖」(源氏物語

宇津保物語・・長編。源氏物語に影響。

落窪物語・・継子いじめ話。

 

【歌物語】

伊勢物語・・歌物語。在原業平がモデル。「みやび」

大和物語・・歌物語。前半が歌人の逸話、後半が説話的。

平中物語・・平貞文がモデル。「をこ」

 

源氏物語・・平安時代の物語文学の最高傑作。紫式部。五十四帖。「もののあはれ

 

 

源氏物語の影響】

堤中納言物語・・短編物語集。「このついで」「虫めづる姫君」「はいづみ」などを載録。

夜半の寝覚

浜松中納言物語

狭衣物語・・長編。

とりかへばや物語

 

日記文学

 

(平安)

土佐日記・・紀貫之

蜻蛉日記・・藤原道綱母

和泉式部日記

紫式部日記

更級日記・・菅原孝標女

讃岐典侍日記

(鎌倉)

十六夜日記・・阿仏尼

 

説話文学

 

(平安)

日本霊異記・・景戒。仏教説話。

三宝絵詞・・仏教説話。

今昔物語集

(鎌倉)

宇治拾遺物語・・世俗説話。

発心集・・鴨長明。仏教説話。

十訓抄・・教訓書。

古今著聞集・・橘成季。世俗説話。

沙石集・・無住。仏教説話。

 

歴史物語

 

(平安)

栄花物語・・編年体藤原道長を賛美。

大鏡・・紀伝体。大宅世継と夏山繁樹の語る昔話。藤原道長を批判。

(鎌倉)

今鏡

水鏡

南北朝

増鏡

 

軍記物語

 

(鎌倉)

保元物語

平治物語

平家物語・・仏教的無常観。和漢混交文。琵琶法師の平曲。

異本(源平盛衰記

南北朝

太平記

曽我物語

(室町初期)

義経記

 

三大随筆

 

枕草子・・清少納言。父は清原元輔。「をかし」

方丈記・・鴨長明。和漢混交文。

徒然草・・兼好法師。和漢混交文。擬古文。

 

八代集

 

平安時代

古今和歌集・・九〇五年。紀貫之らの撰。「たをやめぶり」

後撰和歌集・・梨壺五人の撰。

拾遺和歌集・・源氏物語枕草子と同時期

拾遺和歌集

金葉和歌集・・源俊頼

詞花和歌集

千載和歌集・・藤原俊成

鎌倉時代

新古今和歌集・・一二〇五年。後鳥羽院の勅命。藤原定家らの撰。

 

六歌仙

 

大伴黒主 喜撰法師 小野小町 

僧正遍照 文屋康秀 在原業平

 

私家集

 

山家集・・西行

金塊和歌集・・源実朝

建礼門院右京大夫集・・女版平家物語

 

歌謡集

 

和漢朗詠集・・藤原公任

梁塵秘抄・・後白河法皇の撰。「今様」

 

 

 

 

 

 

 

文学史の整理)近世

 

近世前半

 

松尾芭蕉・・元禄時代俳諧師。蕉風といわれ、「さび」「しほり」「ほそみ」を重んじた。

俳諧七部集

紀行文・・野ざらし紀行・鹿島紀行・笈の小文・更科紀行・奥の細道

蕉門十哲・・向井去来去来抄)・服部土芳(三冊子)・森川許六(風俗文選)

 

井原西鶴・・元禄時代浮世草子作家。もとは談林派の俳諧師

好色物・・好色一代男・好色一代女・好色五人女

武家物・・武家義理物語・武道伝来記

町人物・・日本永代蔵・世間胸算用

 

近松門左衛門・・元禄時代浄瑠璃作者。「虚実皮膜論」(難波土産)。

時代物・・出世景清・国姓爺合戦

世話物・・曾根崎心中・心中天の網島・冥途の飛脚

 

近世後半

 

本居宣長・・江戸時代の国学者。伊勢松坂で生まれる。賀茂真淵に師事。号は鈴屋。

古事記伝・・古事記の注釈

源氏物語玉の小櫛・・「もののあはれ

詞の玉緒・・助詞の研究

玉勝間・・随筆

石上私淑語・・歌論

鈴屋集・・歌集

 

上田秋成・・江戸時代の読本作家

胆大小心録・・随筆

雨月物語春雨物語・・前期読本・短編の怪異小説

 

滝沢馬琴・・江戸時代の読本作者

椿説弓春月・南総里見八犬伝・・後期読本

 

 

 

 

 

 

文学史の整理)近代編

 

 

Ⅰ 近代文学史の流れ

 

明治元年~明治十七年

 

啓蒙主義

戯作文学期

啓蒙運動期

翻訳文学期

政治小説

 

明治十八年~明治二十五年

 

写実主義

 

擬古典主義

 

明治二十六年~明治三十八年

 

浪漫主義

 

明治三十九年~大正

 

自然主義

 

反自然主義耽美派白樺派・新思潮派)+夏目漱石森鴎外(余裕派・高踏派)

 

昭和初期

 

後期自然主義(人生派・奇蹟派)

 

プロレタリア文学

 

芸術派(新感覚派・新興芸術派)

 

転向文学

 

戦後

 

戦後派

(第一次)野間宏大岡昇平  (第二次)三島由紀夫安部公房

無頼派(新戯作派)

太宰治坂口安吾織田作之助

大家の復活

川端康成志賀直哉永井荷風

第三の新人

安岡章太郎吉行淳之介遠藤周作

内向の世代

古井由吉・小川国男・黒井千次後藤明生柄谷行人高井有一阿部昭

新世代の作家

大江健三郎開高健石原慎太郎

 

Ⅱ 文芸思潮

 

写実主義・・勧善懲悪の否定

坪内逍遥二葉亭四迷

擬古典主義・・古典回帰・硯友社・「我楽多文庫」

尾崎紅葉幸田露伴

浪漫主義・・自我の確立・「文学界」

北村透谷・与謝野晶子

自然主義・・実証的・科学的・私小説へ・「早稲田文学

島崎藤村田山花袋

余裕派(高踏派)・・超然として独自の作家活動

夏目漱石(エゴイズムの追求から則天去私を目指す)

森鷗外(現実と関係のある倫理問題の追及)

耽美派・・耽美的・「三田文学」・「スバル」・悪魔主義

永井荷風谷崎潤一郎

白樺派・・理想主義・人道主義・「白樺」

有島武郎志賀直哉武者小路実篤

新思潮派(理知主義)・・理知派・「新思潮」

菊池寛芥川龍之介久米正雄

プロレタリア文学・・マルクス主義・「種蒔く人」・「文芸戦線」・「戦旗」

小林多喜二葉山嘉樹・徳永直

新感覚派・・反プロレタリア・「文芸時代

横光利一川端康成

新興芸術派・・反プロレタリア・「新潮」

堀辰雄井伏鱒二梶井基次郎

Ⅲ 外国作家の影響

 

二葉亭四迷・・ツルゲーネフ

徳富蘆花・・トルストイ

永井荷風・・エミール=ゾラ

国木田独歩・・ワーズワースツルゲーネフ

島崎藤村・・ドフトエフスキー

田山花袋・・エミール=ゾラ

谷崎潤一郎・・オスカー・ワイルド

武者小路実篤・・トルストイメーテルリンク

有島武郎・・エマソン

芥川龍之介・・アナトール=フランス

横光利一・・ジョイス

堀辰雄・・ジー

 

Ⅳ 古典と近代作家

 

坪内逍遥←江戸戯作

尾崎紅葉井原西鶴

正岡子規与謝蕪村

永井荷風人情本

芥川龍之介←『今昔物語集

斎藤茂吉←『万葉集

谷崎潤一郎←『源氏物語