孟子と性善説

孟子性善説
孔子の死後、墨子などが人気を集め、儒学はあまり学ばれなくなった。孔子の死後100年ほど後に生まれた孟子は、孔子の教えを再興した。孟子徳治主義を支持する根拠として、性善説を唱えた。
○四端説・・人間は、生まれながら徳の端緒となる4つの善性を持っているという説。
「四端(四つの徳の端緒)」→教育により拡充→「四徳」
惻隠(そくいん)(他人の不幸を見過ごせない)→仁
羞(しゅう)悪(お)(不善を恥じて憎む)→義
辞(じ)譲(じょう)(へりくだり他人に譲る)→礼
是非(ぜひ)(善悪を判断する)→智
※四端は、徳の端緒であり、教育によってこれらを育むことで、徳が実現するとした。
○五倫・・人間関係ごとの徳目。
父子の親・君臣の義・夫婦の別・長幼の序・朋友の信
※漢代の董仲舒(とうちゅうじょ)が四徳に「信」を加えて唱えた「五常」とともに、儒教道徳の基本となった。
○浩然の気・・自己の利己心に打ち克って有徳な行為を行うことによって生まれる不動心。浩然の気を備えた人を大丈夫(だいじょうぶ)という。