野村克也と活学

junkai42122010-11-28

野村克也と活学」
プロ野球の名監督として知られる、野村克也氏はID野球で知られていますが、その反面、縁起をかつぐことでも知られています。「縁起をかつぐ」ということは、眼に見えない力を信じる行いなので、「謙虚さ」と評価できます。こういうものを迷信とする方は、傲慢不遜なので反省したほうがよいでしょう。「致知」(2010.12)に野村克也氏と村上和雄氏の対談が掲載されていました。その中で野村克也氏は、指導者になるための人間学を学んだことを述べています。
「引退後、野球解説者として再スタートすることにしたが、何を勉強したらいいのか、と草柳大蔵さんに聞くと、『本をたくさんお読みなさい。そして、人間学を学びなさい』といわれました。そうして、最初に推薦してもらったのが、安岡正篤さんの『活学』でした。野球ばっかりしてましたから、それはそれは難解でした。ただ、これはもう読破する意味があると思って、辞書を離さず読み通しました。この時挫折しなかったら、その後、本を読む習慣がついたんだと思います。草柳さんの教えを守って人間学の本を読んでいったことが、監督としての理念のようなものを形成するのに役立ちました。それは一言でいえば、『人間学なきものに指導者の資格なし』というものです」
このように、よいメンターを持ち、正しく学ぶ姿勢が指導者には重要なのでしょう。一流の人々は、みなそうしています。自分だけの考えや経験だけの偏った見方で説教するタイプの人間をみると、その傲慢不遜さにあきれることがあります。厳しくいえば、それは自分本位なので、悪魔の思想に近いので、周囲に迷惑をかけます。謙虚に学ぶ姿勢が、はじめて人々を動かすということをわすれてはいけないでしょうね。