真言
密教の開運法
「役行者(役小角)」、「空海」という日本の密教には、仏教を土台として陰陽道や道教を付加しています。この開運法は、現在にも受け継がれています。密教の「護摩焚き」は一般には難しいのですが、「霊符」や「真言(マントラ)」などは一般の人でも扱うことができるので、よく活用されています。そこで、活用しやすい真言(マントラ)を紹介してみます。毎日唱えて、生きる活力を養ってくださいね。まずは、干支の守り本尊の真言を示してみます。
(子)千手観音菩薩
おん ばさら だるま きりく そわか
(丑)虚空蔵菩薩
おん ばさら あらたな おんたら そわか
(寅)虚空蔵菩薩
おん ばさら あらたな おんたら そわか
(卯)文殊菩薩
おん あらはしやのう
(辰)普賢菩薩
おん さんまや さたばん
(巳)普賢菩薩
おん さんまや さたばん
(午)勢至菩薩
おん さんさん ざんさく そわか
(未)大日如来
あびらうんけん ばさら だとばん
(申)大日如来
あびらうんけん ばさら だとばん
(酉)不動明王
なまく さんまんだばさらなん せんだまかろしゃな そわたやうんたらた かんまん
(戌)阿弥陀如来
おん あみりた ていぜいからうん
(亥)阿弥陀如来
おん あみりた ていぜいからうん
(敬愛法)
人間関係で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。相手によっては、はっきりと言う必要があったり、あまり言う必要がなかったりします。また、やさしくする相手がいる一方、争ってでも主張し倒す必要のある相手もいます。実に、人間関係は複雑なものです。しかし、人間同士のつながりが、運をもたらすのも事実です。竹村健一氏も「人生で重要な三人との出会いのおかげで今の私がある」と述べています。ある程度の信念をもって、人間関係に臨みたいものです。人間関係で悩んでいるなら、
「おん ろけいじばらきりく」
という「十一面観音」の真言を七回唱えるとよいでしょう。
また、社交上手で人に好かれるためには、人に好かれる条件を心得ておく必要があります。第一に、明るいものを引き寄せる引き寄せの法則を利用します。つまり、明るい印象を与えることが必要です。そのためには、明るい色や明るい表情が大切になります。第二に、明るい心になるためには食べ物にも注意する必要があります。根菜類を中心にすると、体が温まりますのでよい心の状態になります。近年、キレやすい子が問題となっていますが、そういった子も体を温める食事にすると、落ち着いた穏やかな性格になっていくことが報告されています。第三に、人間関係を観察した名著を読むことです。デール・カーネギの『人を動かす』、谷沢永一の『人間通』、齋藤茂太の『なぜか人に好かれる人の共通点』などです。このような、人間観察の本も需要なヒントを与えてくれます。その上で、
「おん ばさら やきしゅ うん」
という金剛夜叉王の真言を七回唱えて、自己を奮い立たせるとよいのです。
人間関係で、つい失言をしたり、喧嘩になる人も多いものです。特に酒の上で失敗するケースもよくみられます。酒飲んで信用が失墜することも多いものです。日本人は、酒の席のこともしっかりと覚えていますから。中国人は、酒の席はビジネスの交渉をという意識が強いので、飲みすぎることはないので、日本人が飲みすぎて暴れている姿が信じられないといいます。そのように、失敗の多い方は、そのような酒宴会場などに入る前に、
「おん まりしえいそわか」
という摩利支天の真言を七回唱えるとよいでしょう。
また、失敗してしまった友人との関係を修復したいときには、
「おん ろけいじばらきりく」
という十一面観音の真言を七回唱えるとよいでしょうね。さらには、相手が頑である場合には、
「なまく さんまんだばさらだん せんだまかろしゃな そわたやうんたらた かんまん」
という不動明王の真言を七回唱えるとよいでしょう。さすがに、武の神仏なので力がわいてきます。思い切ったことをする必要があるときにも、この真言は有効です。気の弱い人は、場に飲まれやすく、損をすることが多いので、呼吸法を習得して、多少は肉類を口にし、不動明王の力を借りていくと効果的です。不動明王の火炎に包まれた姿を思い浮かべながら、ぜひ実践してみてください。もし、この真言が長いと感じるなら、不動明王の真言を簡略にした
「なまく さまんだ ばさらだんかん」
でもよいでしょう。
他に、人間関係で使うとよい真言を紹介します。両親との関係を保つなら、
「おん あろりきゃ そわか」
という聖観音の真言、
「おん とどまり ぎゃきてい そわか」
という鬼子母神の真言、
「おん かかか びさんまえい そわか」
という地蔵菩薩の真言なども使うとよいでしょう。
また、兄弟姉妹の仲を保つなら、文殊菩薩(智恵を司る)と普賢菩薩(禅定を司る)という兄弟の真言、すなわち、
「おん あらはしゃのう」
というという文殊菩薩の真言、
「おん さんまや さとばん」
という普賢菩薩の真言、さらには、
「おん そらそばていえい そわか」
という弁財天の真言や、
「おん まかきゃらや そわか」
という大黒天の真言も効果的です。
恋愛・結婚などで、悪気はなくても、どうしても略奪のような形になることがあります。そういうときには、奪ってしまった相手から電磁波のような怨みの念を受けてしまうことがあります。怨みの念というのは、仕事・健康などの障害となるものです。そこで、後醍醐天皇や直江兼続も信奉していたとつたえられる、愛染明王の力を借りることになります。もし、結果的に奪う形の恋愛になってしまったときには、
「おん うんだき うんじゃく うんしっち そわか」
という愛染明王の真言を七回以上唱えるようにするとよいでしょう。
この愛染明王のバックアップの他に、運気をあげることも必要です。運気をあげる大原則は、健康であることです。健康でないと、どうしても運気をあげることはできません。そのため、体のケアは大切にしましょう。そして、心を豊かにする読み物や英知をは育むための評論や専門書を読み、知識量を増やして判断力を養えば、内相からでるオーラもよくなり、自然とよい人物との出会いも増えてきます。まさに、「引き寄せの法則」です。
デートのときなどには、愛染明王の真言の他に、
「おん きりくぎゃくうむ そわか」
という勧喜天の真言を七回唱えることが有効です。また、フェロモンを出すには、
「おん まかりしえい そわか」
という吉祥天の真言が有効です。
煩悩や嫉妬心を抑えたいなら、
「おん さんさん ざんさく そわか」
という勢至菩薩の真言がよいでしょうね。また、よいご縁をつなぐには、
「おん いしゃなや そわか」
という自在天の真言がよいでしょうね。伴侶や恋人の無病息災を祈るには、神変大菩薩の
「おん ぎゃくぎゃく えんのううばそく あらんきゃ そわか」
という真言がよいでしょう。
(増益法)
職場で出世したいと、誰もが思うのが自然です。もし、出世したくないというなら、それは間違った人生観だといわねばなりません。人類は向上意欲のためにあるのですから。出世する人に特徴的なこととして、必ず引き立ててくれる人がいるものです。まずは、挨拶をしっかりとすることが大切です。それが慣れたら、ちょっとした立ち話をすることです。そうすることで、引き立て役がふえてきます。このあたりのことは、中島薫『お金の哲学』(サンマーク文庫)をお読みください。
次に、人の三倍は努力していることがあげられます。三倍努力すれば、確実に出世します。そのときに、力を与えてくれるのが、
「なまく さんまんだばさらなん せんだまかろしゃな そわたやうんたらた かんまん」
という不動明王の真言です。不動信仰は多少波動が荒くなりますが、職場で出世をめざすなら、そのくらいの力が必要です。ただ、女性で不動信仰はお薦めしません。女性らしさがなくなりますから。なお、不動明王の真言の簡略版として、
「なまく さまんだ ばざらだんかん」
というのもあります。