読点の活用法

 こんばんは。今回は、「、」(テン)〔読点〕の使い方を考えてみたいと思います。この読点の打ち方のマニュアルをまず掲載してみます。

①テンは、第一の原則として文の中止にうつ。
(例)父も喜び、母も喜んだ。
②終止の形をとっていても、その文意が続く場合にはテンをうつ。ただし、他のテンとのつり合いの上、この場合にマルをうつこともある。このテンは、言わば、半終止ともいうべきものである。
(例)父も喜んだ、母も喜んだ。
③テンは第二の原則として、副詞的語句の前後にうつ。その上で、口調の上から不必要なものを消すのである。テンで挟んだ語句を飛ばして読んでみても、一応、文脈が通るようにうつのである。これがテンのうちかたにおける最も重要な、一番多く使われる原則であって、この原則の範囲内でそれぞれの文に従い、適当に調節するのである。なお、接続詞、感動詞などもすべて副詞的語句として扱う。
(例)昨夜、帰宅以来、お尋ねの件について(、)当時の日誌を調べて見ましたところ、やはり(、)そのとき申し上げた通りでありました。お寺の小僧になって間もないころ、ある日、おしょうさんから大そうしかられました。
④形容詞的語句が重なる場合にも、前項の原則に準じてテンをうつ。
(例)くじゃくは、長い、美しい尾をおうぎのように広げました。静かな、明るい、高原の春です。
⑤右の場合、第一の形容詞的語句の下にだけうってよいことがある。
(例)まだ火のよく通らない、生のでんぷん粒のあるくず湯を飲んで、
⑥語なり、意味なりが付着して、読み誤る恐れがある場合にうつ。
(例)よく晴れた夜、空を仰ぐと、
⑦テンは読みの間をあらわす。
(例)「かん、かん、かん」
⑧提示した語の下にうつ。
(例)秋祭、それは村人にとって最も楽しい日です。香具山、畝傍山耳成山、これを大和の三山という。
⑨ナカテンと同じ役目に用いるが、特にテンでなくては、かえって読み誤りやすい場合がある。
(例)天地の公道、人倫の常経
⑩対話または引用文のカギの前にうつ。
(例)さっきの槍ヶ岳が、「ここまでおいで。」というように
⑪対話または引用文の後を「と」で受けて、その下にテンをうつのに二つの場合がある。
「といって、」「と思って、」などの「と」にはうたない。
(例)「なんという貝だろう。」といって、みんなで、いろいろ貝の名前を思い出してみましたが、
「と、花子さんは」というように、その「と」の下に主格や、または他の語が来る場合はうつのである。
(例)「先生に聞きにいきましょう。」と、花子さんは、その貝をもって、先生のところへ走って行きました。
⑫並列の「と」「も」をともなって主語が重なる場合には原則としてうつが、必要でない限りは省略する。
(例)父と(、)母と(、)兄と(、)姉と(、)私との五人で、
⑬数字の位取りにうつ。
(例)一二(億)、三四五六(万)、七八九〇

 このようにモデルは設定されていますが、各自で読みやすさを工夫することが大切なことだといえます。